紳士服専門店が「オーダー」を強化する理由 5万円以上のスーツを若者が一点買い
10月26日、東京・銀座1丁目にある「AOKI銀座店」。紳士服専門店2位のAOKIホールディングスが運営する旗艦店の店内に、オーダースーツ専用の「ザ テイラーショップ アオキ」がオープンした。
15坪の売り場は、木目調で落ち着いた雰囲気。生地からボタンまですべて選ぶフルオーダーから、決められたスタイルから選ぶパターンオーダーまで、お客はここで自分だけのスーツやシャツを注文することができる。最低価格は4万9000円(税別)、生地によっては10万円以上になることもある。
オーダースーツの場合、お客に合わせたサイズにするため、職人による手縫いの工程が必要になる。縫製は青森県や福島県などにあるオーダー専用の国内工場で行い、最短2週間で完成する。
同社では今後、こうしたショップ・イン・ショップの形態でオーダースーツを増やしていく計画だ。店で採寸した後はネットで着せ替えのように自分好みのスタイルを作り、注文することも可能。11月7日からはお客が注文したスーツを約560の全店舗で受け取れるサービスも開始した。
「昨年、当社のオーダースーツの販売着数は前年比1.6倍も伸びた」(青木彰宏AOKIホールディングス社長)。オフィスでのカジュアル化などによって、スーツ市場そのものは縮小を続けている。そんな中でも、「スーツの数をそろえる必要はないが、自分だけの勝負服が欲しい」という”一点買い”のニーズがあるようだ。
3万5000円からオーダーが可能
業界3位のコナカも10月1日、オーダースーツの新業態「ディファレンス」を南青山にオープンした。
コナカではすでにオーダーの専門店を8店展開するが、「過去5年で売上高は倍になった」(湖中謙介社長)。そのため新業態を立ち上げ、最低価格を3万5000円と従来よりも敷居を低くした。また、2着目以降はお客が自らスマートフォンのアプリを操作して、注文から受け取りまですべてのプロセスをスマートフォンで完結できるシステムを導入した。
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