慶應志木男が抱える「外部生扱い」のトラウマ 東京カレンダー「慶應内格差」<6>
そして、このタイミングで慶應女子出身の沙羅と出会った。今のうちから最上級の店・最上級の男を知ってもらい、更なるハイクラスな世界を見せ、いい女に育てる。この間だって、沙羅からのリクエストで『かどわき』に連れて行った。
俺以上に、自力でのし上がった男はいないはずだ。埼玉と馬鹿にされたのは過去の話。あと手に入れたいものは、慶應女子高に対する失われた自信だ。
「小原さんにしか言えない相談があるんです」
沙羅から久しぶりにメッセージが届いた。
――小原さん、久しぶり!お久しぶりです。ちょっと聞きたいことがあります――
今回は松茸がこれでもかと出てくる『松川』に連れて行ってあげることにした。
「今日は相談があって……」
珍しく、しおらしい彼女の様子に驚いた。
「どうしたの?」
「小原さんにこんなこと言うのどうかと思うんですけど……」
鼓動が早くなる。待ち続けていた成果がこれから聞けるのではないかという期待が膨らむ。
「私も転職したいなって思ってるんです。小原さんなら同じ業界だし、話聞きやすいと思って」
完全に、良い相談相手としか思われていない。淡い期待を抱いていた自分が恥ずかしくなった。
いつもこうだ。 慶女の子には良いようにしか使われない。小原は内心そう思いながら、親身な振りをして沙羅の話を聞いてやった。
「沙羅。小原さんって、どうなの?」――。3Sの定期ミーティング。今日は、AOビルの『TWO ROOMSグリル&バー』でアフタヌーンティーを楽しむ。
「この間転職の話聞いてもらった!すごい頼りになるよね。うん。でも、もちろんそれだけだよ?」
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