ついにバブル崩壊 “ショッピングセンターの申し子たち”の落日


都市型アパレルも出店先のSC厳選へ

別の某大手アパレルは、好条件の出店場所を優先的に確保する代わりに、そのデベロッパーが開業する複数のSCに出店するというセット契約で、年間100店規模の出店を進めてきた。集客力のあるSCの最高の場所に出店できる一方で、売れないSCにも出店しなければならない。だが「衣料品が売れない環境が続けば、利益が出ない店を持つ余裕はなくなる」(大手アパレル幹部)。このやり方にも限界が見えてきた。

キラーテナントが出店を渋り始めれば、その波紋は中小アパレルの誘致にまで及ぶ。「これまで、うちに話が来るときは大抵、すでに大手の出店が決まっていたが、最近は未定というケースが多い。勝ち馬に乗りたくても、それがわからない」。中堅アパレルの幹部はこう明かす。

もちろんSCへの出店にいまだ意欲的な企業もある。その筆頭が、これまで百貨店や駅ビルなど中心に出店してきた都市型アパレルだ。

大手セレクトショップのユナイテッドアローズは今秋、初のSC向け新業態を出店する。ファッション感度の高い20~30代男女向けの低価格のカジュアル衣料店で、イオンモールなどすでに複数のSCに出店が決まっているという。子供服のナルミヤ・インターナショナルも、百貨店の苦戦をSCでカバーすべく、値頃感のあるキャラクター系新ブランドを投入している。

だが、これら新規参入テナントはいずれも、「出店先は吟味して、短期間での大量出店はしない」と口をそろえる。SCに対する選別は、ここでもさらに強まりそうだ。

大量出店によって成り立ったデベロッパーとテナントの共存共栄モデル。それが今、曲がり角に立っている。「今後はより顧客ターゲットを明確にしたSCでなければ通用しない」(小西幸夫イオンモール常務)。うたげの後の調整が始まる。

 


(堀越千代、並木厚憲 =週刊東洋経済)

 

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