【三淵啓自氏・講演】仮想空間「セカンドライフ」におけるコミュニティマーケティングの新たな可能性(その5)

セカンドライフ 今後の問題点と可能性

RoppongiBIZ*東洋経済提携セミナー
講師:三淵啓自(デジタルハリウッド大学大学院教授)
2007年12月4日(火)19:00~ 六本木アカデミーヒルズ

その4より続き)

 セカンドライフは、法的に判断できない問題点がたくさんあります。将来、日本円で決済できるようになると、クーリングオフやPL法も考える必要がでてくるかもしれません。税金をかけた方がいいとか、いろいろな話が出てくるでしょう。 経済の問題に関しては、おそらく、ポイントシステムとの連動が最初にあり、次に仮想通貨、実通貨という流れになってくると想定していますが、まだまだルール決めも含めて進んでいない状況です。

 システム的な問題点もまだまだ解決されていません。今は、大変大きいトラフィックだと止まってしまいます。現在、リアルタイムで5万人くらいの人が活動していますが、これが何十万人になったときにどうなるかもまだ見えていません。
 シムの2万坪の大きなエリアに入れる人数は、じっと立っているだけで最大100人、自由に動いたり踊ったりするとなると、最大で50~60人と言われています。それ以上になると動きが悪くなったり、止まったりする現象がおき、これも大きなネックになっています。

●今後の可能性

 普通の人がゲームを始める理由に、キャラクターやシナリオ、ゲーム観に惹かれるというものがありますが、セカンドライフは見た目がダサい。入ったはいいけれど、何も起こらない。自分で何かしないと何も起きない。一般の消費者にはなかなか受け入れられないインフラなのです。
 ゲームプレイヤー心理で、MMORPG(※1)のようにネットワークのコミュニティができると、初めてみんなと同じでは嫌だという気持ちになります。みんなが戦士だったら、自分は違うものになりたいという自己主張が入る。そこで、究極の自己主張というのは自分でオリジナルを作ることなので、創作活動が始まります。すると、いいものを作ったら他の人にあげたり、売ったりというようなことが起こります。これがセカンドライフの注視されている部分であると言えます。

 私は、メタバースはセカンドライフ1つだけだと思っていません。最近はマルチバース(※2)とも呼ばれていますが、たくさんのコードの違うメタバースがでてきています。
 セカンドライフのように自由なクリエイティビティを援護するようなメタバースもあれば、ゲームのようなメタバースもある。さらに、メタバース同士、マルチバース同士がお互いにつながることもありえます。
 そのような状況になると、例えばオンラインゲームで遊んでいたらすごい相手がいて、どこで作ったのかと聞いたら、セカンドライフで作って持ち込んだと。それなら自分もセカンドライフに行ってみようかというような流れが起きます。
 このように、ひとつのメタバース、マルチバースで保有できるような世界ではなく、将来はインターネットのようにマルチバースがつながっていくという構図になっていくと思います。
(終)
※1)MMORPG:多人数同時参加型ロールプレイングゲーム
※2)マルチバース:複数のメタバースが並存すること
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