銀行員におカネの相談をするのはカモネギだ あなたの大切な貯金を増やす5つのポイント

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そもそも、金融機関の勧める金融商品や提案内容の質を見極めることができる人であれば相談をする必要はないでしょう。見極める自信がないから相談するわけですが、そういう人はなおさら、金融商品の売り手に相談していたら危険に決まっています。相手にとって望ましい商品を勧められている可能性が高くなります。不必要な商品を売りつけられているかもしれません。

もし、見極める自信がない場合は、「セカンドオピニオン」として利害関係のない人に、相談するのも一つの手です。また、金融商品を販売していない立場のアドバイザーなどに相談すれば、余計な商品を売りつけられる心配はありません。もちろん、最初に申し上げたとおり、顧客側も基本的な金融商品については理解するように努力する必要があります。

金融商品を見極める「5つのチェックポイント」とは?

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「金融商品の中身を理解する」と言っても、実はそれほど難しいことではありません。大切な貯金を減らさず、少しでも増やすためには、次のような「5つのポイント」を押さえておけば良いでしょう。

1. 元本割れの可能性はあるのか

2. 想定される最大損失額(例えばリーマンショックのような経済危機が発生した場合、どの位損する可能性があるのか)

3. コスト(間接的に負担するものも含める)

4. 流動性(いつでも解約できるのか、解約するのに手数料はかからないか)

5. 過去の実績(参考程度に)

そして、これらが明確に理解できない場合には、投資しなければ良いのです。無理に複雑な商品を理解する必要はありません。複雑な金融商品はリスクの所在も分かりにくく、コストが割高なことが多いからです。

資産運用は自分の人生にかかわることです。金融機関の営業担当者は転勤も多く、10年20年先まで責任を持ってサポートしてくれるわけではありません。他人任せにせず、自分で調べて、理解してから始めるなど、主体的に取り組みましょう。

高橋 忠寛 ファイナンシャルプランナー

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たかはし ただひろ / Tadahiro Takahashi

株式会社リンクマネーコンサルティング代表取締役。メガバンクと外資系金融機関で10年超の銀行勤務。法人営業や資産家向け相続ビジネス、資産運用コンサルティング業務などに従事。独立後は投資助言代理業者として、金融商品の販売には関わらない完全に独立した立場で資産運用を中心に、資産管理についての総合的なアドバイスを提供。CFP®、日本証券アナリスト協会検定会員。著書に『銀行員が顧客には勧めないけど家族に勧める資産運用術』(日本実業出版社)など。

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