パナソニック株主、経営陣にぶつけた不満 定時株主総会、業績悪化や無配転落の責任問う

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――私は学生のころ、旧松下電工に内定をいただき、東北支店や門真の本社の方にお会いしたが、魅力的な人が多かった。「人の松下」と言われていた時代だ。その松下が尼崎工場の竣工のころから、「偽装請負」「追い出し部屋」という言葉で語られている。中期経営計画からは再生という力は感じるが、人という視点が欠けている。人を切って、再生はできるのか。

中川常務 人材については、事業活動の根幹をなすということで、社会からのお預かりもの、大変貴重なものということで、常に人間第一の経営を行ってきました。一方、厳しい経営状況の中、自らの選択により、退職された方がいることも事実です。

その際も再就職支援なども最大限努力してきたつもりですが、ご指摘のあったようなマスコミの報道があったのも事実です。この反省を生かして、今後とも人を大切にするという考え方を元に、社員の育成、活性化に努めていきたいと考えています。

津賀社長 われわれは人を大切にする会社でありたいと強く思っています。一方、人の流動化も日本社会では必要だと考えています。当然、多くの仕事をつくり出して、多くの人を雇いたいと思っていますが、日本社会全体の中で果たすべき役割を果たしたいと考えています。

「アビオニクス事業は期待が持てるのか」

――アビオニクス(航空機内AVシステム)事業に力を入れていくと言われている。ただ、LCC(格安航空)が台頭しているほか、大型機より小型機に力を入れる航空会社も増えている。アビオニクス事業は期待を持てるのか。

宮部義幸常務 アビオニクス事業は、航空機内のオーディオサービスからスタートして、現在はビデオオンデマンドのような、飛行機の中の映像サービスをお楽しみいただくところまでいっており、数多くの航空会社に採用いただいています。現在、航空機の機内エンターテインメントの事業に加え、二つ展開しています。一つ目はメンテナンスサービス。これは機材の点検保守をするサービスです。すでに世界の約70カ所にメンテナンス拠点があります。これにより航空会社との関係を維持し、参入障壁にもなっています。

もう一つは通信サービスへの拡大です。昨今の通信環境の発達に伴って、飛行機の中でもさまざまな通信事業が出てきています。これをやるために、全世界で免許を獲得しています。今年、別の方式の通信の免許もとり、小型ジェット機、ビジネスジェット機等でも通信サービスを提供できるようになりました。以上のように、環境の変化に備えながら、次々と手を打って、世界ナンバーワンの地位をこれからも確保し続けるつもりです。

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