安倍政権の正体 ー秘められた本心と人脈ー 出そろった安倍流「3本の矢」の実力は?
経済政策が世界の注目を浴びるが…
経済政策が世界の注目を浴びる安倍首相だが、実は面会の回数が多いのは外交・安保担当者だ(下表)。
牛尾氏は「安倍首相の経済思想は、日本を守るには経済が強くないとダメだというもの。政策そのものはスタッフに任せっぱなしじゃないですか」と語る。経済は閣僚以下に任せ、自分は思い入れが強い問題に時間を割いているのかもしれない。
安倍首相の最大の関心事が憲法改正であることは衆目の一致するところ。しかし、改憲に向け共同歩調を取ってきた日本維新の会の急速な退潮によって、早期実現の可能性は大きく低下した。そのため、政権の中枢、つまり安倍首相、麻生副首相、甘利明経済再生相、菅義偉官房長官の4人の間では「7月の参院選が終わってから2年は経済に集中することで一致している」(官邸筋)。
今後2年の間には消費税の引き上げが2回予定されており、これをクリアするためにも、あまり多くの課題にはエネルギーを割けない。経済政策は規制改革、構造改革を進めつつ財政再建への道筋をつけ、同時に補正予算による景気下支えも求められるという複雑な連立方程式である。改憲は、経済面の課題が片付くまで棚上げになりそうだ。
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