トヨタ「カローラ」、デビュー50年目の正念場 セダン購入者の平均年齢は70歳近くに高齢化

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「カローラのような大衆車が活躍する時代は長くは続かないかもしれない」――。名車フェラーリなどのデザインを手がけ、最近では新幹線などの鉄道にも取り組む工業デザイナーの奥山清行氏は近い将来をこう予想する。

IT企業の巨人グーグル<GOOGL.O>や配車アプリ最大手ウーバーテクノロジーズ<UBER.UL>などが自動車産業に参入、移動手段としての自動運転車やライドシェア(相乗り)が脚光を浴びている。これらの普及で車の「所有」から「利用」への動きが強まれば、自動運転タクシーのような公共交通手段としての車か、富裕層向け高級車に二極化すると同氏はみる。

10、11代目の開発を担当したトヨタの安井慎二常務理事は、カローラをライドシェアの車として使ってもらうことも「あるかもしれない」という。また、法人向け販売という収益源もある。だが「それだけでは生き残れない。持つ喜びを感じてもらう車としても提供しなければいけない」と強調する。

DNAにこだわらず

海外での悩みもある。カローラはトヨタ車で最も海外での現地化が進んでおり、世界16拠点で生産。154カ国・地域で販売され、昨年の販売台数約134万台のうち9割以上が海外だ。ただ、仕様や売り出し方は世界共通ではない。中国では中間層向けファミリー車、ブラジルやタイでは富裕層向け高級車などと狙いが異なる。いかに量販車としての効率も追求しつつ、現地の多種多様なニーズに応えるかが課題だ。

「DNAにこだわる必要はない」。現トヨタ顧問で2、3代目を担当した佐々木紫郎氏は言う。大衆車として成長したカローラが次の50年の歴史を作るには、これまで追求してきた「チャレンジ精神」を通して、新たな基軸を打ち出す必要がありそうだ。

 

(白木真紀  編集:北松克朗)

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