3Dを活用すれば原発の安全性は高まる 仏ダッソー・システムズ シャーレス社長兼CEOに聞く

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製造業向けの3D設計ツールで知られるダッソー・システムズ。売上高20億2830万ユーロ(2012年12月期)を誇るフランス最大のソフトウエア会社だ。同社はミラージュ戦闘機で知られるダッソー・アビアシオンの3D設計ツール「CATIA」を外販するために1981年に設立された。その後は製品設計のみならず販売、リサイクルまでのライフサイクルを管理するPLM(Product Lifecycle Management)を提唱し、統合的なソフト会社へと発展した。
現在は「3Dエクスぺエリンス」をキーワードに、航空宇宙、船舶、自動車、産業機械、消費財などの製造業に加え、小売業、金融業などに3Dシミュレーションのソリューションを販売している。6月4~5日に東京都内で行った顧客向けイベントのために来日したベルナール・シャーレス社長兼CEOに、ダッソーのビジョンなどを聞いた。

――ダッソー・システムズは航空機や自動車の設計ソフトの印象が強い。提唱している「3Dエクスぺリエンス」によって製造業はどう変わるのでしょうか。

ダッソーは自動車、産業機械、航空宇宙、消費財など、幅広い業界を対象にソリューションを提供しています。業界ごとにさまざまなニーズがありますが、究極の課題は「消費者に対してどのような貢献ができるか」という点で共通していると思います。ダッソーは長年にわたって設計、シミュレーション、製造というところに力を入れてきましたが、現在はこうした点と点を結び、製品のライフサイクル全体をサポートし、消費者が求める製品作りを手助けすることを目指しています。

苦しんでいる日本企業が多い

日本にはすばらしい技術を持った、有名企業がたくさんあります。しかし、残念ながら、消費者が求めている製品を出せずに苦しんでいる企業も多い。技術はすばらしいのに収益性が上がっていない企業もあります。

その原因は、「市場ニーズを理解すること」と「スピーディに市場ニーズに応えていくこと」の間のつながりが欠けているから。新製品計画が正しいものなのかどうか、開発投資を行う前段階で、効果的なシミュレーションを行う必要があるのですが、それができていない企業も多い。

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