小池知事を襲う「ハネムーン期間終了」の衝撃

地元・豊島区で火種がくずぶっている

だが飯島氏はもともと小泉氏に近い小池氏を支持していたのではなかったか。東京都知事選が大詰めに入った7月23日午後、銀座4丁目交差点で小池氏が行った街宣で、中央通りを埋め尽くす約3000名の聴衆の中にひとりたたずむ飯島氏の姿を見かけたことがある。

今から思えばこの頃から、安倍首相は自民党と公明党が推薦した増田寛也候補から距離を置きはじめた。そして選挙戦最終日の30日、増田選対が一縷(いちる)の望みとしていた「安倍首相の応援演説」は幻と消えている。そして小池氏は約291万票を獲得して勝ち、増田氏は敗退した。

明暗を分ける節目のときに飯島氏が現れるのかもしれない。実際にいま、小池氏の地元では火種がくすぶりつつある。

二階氏は、なぜ怒ったのか

まずは小池知事が「7人の侍」と呼ぶ練馬区と豊島区の7人の区議たちと自民党東京都連との軋轢だ。

知事選で小池氏を応援した彼らは自民党東京都連から10月30日までの離党を勧告され、拒否すれば除籍されることになっていた。ところが、全員離党に応じず無視を決め込んだ。

これについて下村博文都連会長は処分を保留。小池知事との関係を考えると無罪放免にしたいが、都連の中ではこれに反対する意見が多いからだという。

さらに問題は、「7人の侍」が二階俊博自民党幹事長からの「衆院補選の慰労の誘い」を断ったことだ。そもそも二階氏は彼らの処分には慎重な姿勢をとっており、8月4日に小池知事から表敬訪問を受けた時にも「(小池知事を支持した区議たちへの)撃ち方やめだ。小池都政に積極的に協力していきたい」と語ったことがある。

もともと二階氏は白黒はっきりさせるというよりも何でも飲み込む古いタイプの政治家だ。二階派が自民党から入党を認められない議員をも受け入れている事実からも、それはよくわかる。

しかしさすがの二階氏も、彼らの「非礼」には腹を据えかねたようだ。都連による離党勧告処分について「党都連がすること」と冷たく突き放すとともに、小池知事とのパイプ役を自任する若狭勝衆院議員の「7名の区議を除名するなら離党する」との"決意表明"についても、「政治について素人っぽいところがある。離党してもしなくてもけっこう」「小池氏や自民党の支援がなければ当選は見込めなかった」と批判の矛先を向けている。

10月23日の衆院補選で若狭氏が大勝利することを決定づけたのが、10月16日に池袋駅東口で開かれた大演説会だ。安倍首相をはじめとして、公明党の山口那津男代表や高木陽介東京都本部代表もマイクを握り、下村自民党都連会長や数多くの議員も駆け付け、ロータリーが数千人もの人で埋め尽くされた。

このお膳立てをしたのは、ほかならぬ二階氏だった。

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