50歳のあの人は定年後に一体いくら必要か

10年後「おカネが足りない」と慌てても遅い

厚生労働省によると2015年の日本人の平均寿命は女性87.05歳、男性80.79歳。60歳から20年以上生きるのである。夫婦二人の世帯は老後にいったい、いくらのおカネが必要になるのだろうか。専門家たちに聞くと、「1億円は必要となる」という。

超富裕層ならともかく普通のサラリーマンの金融資産は・・・(写真:マハロ / PIXTA)

金融広報中央委員会の2015年の調査によると、50代の金融資産は平均で1941万円だが、これは一部の超富裕層に全体平均が引き上げられているだけだ。金融資産を保有している人に限って、保有額の少ない順(あるいは多い順)に並べたときに、真ん中に位置する「中央値」は約1100万円となる。これが平均的な実態と考えていいだろう。定年後の生活を考えると、ちょっと心もとない。

大卒で大企業に勤めているサラリーマンなら、2000万円程度の退職金を手にすることができるはずだが、平均的な世帯で考えると、60歳を迎えるまでにやや増えた現金にそれを足しても、住宅ローンの返済、子どもの教育費、日常の生活費などを考えていくと、年金の支給があるとしても心もとない。

定年前におカネを増やすことを考えなければならない

かといって、何かおカネを増やすことを実行していたり、考えていたりする人は少数派と言われる。定年退職の60歳のとき、「おカネが足りない」とじたばたしても現実的にはもう遅い。遅くとも、その10年前くらい、50歳の時点で自分のおカネをどう増やしていくかを考えなければいけないのだ。

もちろん、50歳はまだまだ働き盛りで、大事な仕事がある。引き続き仕事に全力投球しなければならない。だが同時に手持ちの資金の拡大策も考えなければいけない歳だ。仕事と資金運用の両方である。

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それは60歳で終わりでなく、その後も継続していくことになる。90歳までは生きていくことを前提に考えなければいけないからだ。そのためには絶えずおカネを生み、増やしていく必要がある。まずトータルの目標額として視野に入れるのが1億円ということになるだろう。

大事なのは50歳になったら意識を変えることだ。『退職金バカ』の著者、セゾン投信の中野晴啓社長は最初に生活コストを引き下げることを提案する。それによって生み出した資金を投資に充てるのがいいと。「銀座のクラブは止めて、居酒屋にしましょう。シャツはユニクロでいいじゃないですか。分譲マンションも川向こうの埼玉に買い換えるだけでずいぶんと違います」(中野社長)。

ライフスタイルマガジンの特集にあるようなケチケチ作戦とは違うらしい。中野氏は「もっと根源的な価値観の改革ですよ。自分の殻を捨てられる歳だからこそ、実行できるはずです」。毎月10万円浮かすことができたら、その10万円から長期スパンで投資を始めるのがいいとアドバイスする。定年退職まであと10年、おカネの増やし方次第で老後はまるっきり違うものになるはずだ。

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