ドル安円高の局面は、終了したのか ディーラー歴20年の達人が読む為替

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筆者は、結局は、米雇用統計の発表前に市場のポジションの調整がある程度済んでいったところに、「都合の良い数字」が出てきたので、反発したのではないかと思っている。そのように感じたのは先週の7日の東京市場の動きも関係がある。この日東京市場では日経平均は一時1万25482円を付けたが、後場の大引けにかけては1万3106円、ドル円は97円20銭まで反発した。

その理由はジョージ・ソロス氏が「日本株とドル円を買い戻している」とするニュース、厚労省がGPIF(年金基金管理独立行政法人)の中期運用変更に関する会見を行うというものだった。正直言って筋のいいニュースでもないのに、株価とドル円が意外に反発したのはポジション調整が進んでいたのではないかと感じた。20年前ならいざ知らず、いまさらソロスで市場が動くほど、簡単な市場ではないだろう。

7日までの市場の波乱を振り返ると、5月23日の日経平均の暴落(下落幅1143円)から始まっており、株が主導し、為替も株をフォローして円高が進んできた。日経平均は1万3000円を割れ、高値から約18%ほど下落していたが、ドル円は高値の103円70銭から99円台前半まで下落してきていたとはいうものの、下落率は4.5%と株価に比べて「高止まり」していた。6日のニューヨーク市場で98円中盤から一気に95円台後半まで下落したのは、米雇用統計前に株価に比べて調整が不十分だったドル円、クロス円の調整が行われたのだろう。このようにまずは株式市場、次いでドル円とクロス円の為替の調整がある程度済んだところで都合の良い数字が出たことで、ドルの反発となったのだ。

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