なぜiPhoneの販売減少が止まらないのか アップルが発表した第4四半期決算の中身

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ファクトセット・ストリートアカウントによると、現四半期のiPhone販売台数の予想平均は7580万台。ライバルの韓国サムスン電子<005930.KS>が発火の報告が相次いだ新型スマホ「ギャラクシーノート7」の生産・販売を打ち切ったことで、アップルの販売が押し上げられる可能性があるとの見方が出ている。

アップル幹部は、同社が9月半ばに発売した最新版iPhone7の需要は堅調との見方を示した。

マエストリ最高財務責任者(CFO)は、アップルの販売にノート7生産停止の影響が及んでいるかどうかについて「知ることは不可能」と答えた。また、アップルには「製品供給上の制約」があるとし、生産可能なすべてのスマホを販売している状況だと明らかにした。

アップル株を保有するグラディエント・インベストメンツのポートフォリオマネジャー、マリアン・モンターニュ氏は、アップルは現四半期の粗利益率を38━38.5%と予想しており、39%近辺とした市場予想よりも弱気だったと指摘。アップルの慎重さに市場はやや驚いただろうと語った。

アップルが示した現四半期の売上高見通しに基づくと、10─12月期は2001年以来の減収を記録する見通し。スマホ市場の伸び鈍化や特に中国勢との競争の厳しさを浮き彫りにしている。

小売り調査会社コンルミノの責任者、ニール・サンダース氏は「つまり、中国でも他の場所でもアップル製品は引き続き人気があるが、アップルと他社との間にかつて存在した圧倒的な差はもうないということだ」と指摘した。

第4・四半期決算は前年同期より販売週数が1週多かったことによるプラスの影響も受けたとみられる。

中国市場への期待

マエストリCFOはロイターの取材に対し、アップルは中国事業について引き続き楽観的だと発言。中国の国内総生産(GDP)の伸びは減速したが、実際には景気は拡大しており、中間層が急増し、スマホの普及率は依然低いと述べた。

また、最新版iPhoneへの旺盛な需要が現四半期の業績への自信を支えているとした。

アップルは第4・四半期末の2週間前に最新版iPhone7と7プラスを発売。今回は発売直後の週末の販売台数を公表しなかった。第4・四半期のiPhone販売台数には、最新モデルのほか、従来モデルのiPhone6S、6Sプラス、SEも含まれる。

アップルの命運は売上高の3分の2を占めるiPhoneの成功が左右する。

クック最高経営責任者(CEO)はアナリストとの電話会見で、インドでは来年までにより強力な第4世代(4G)移動通信網が整備されるため、同国でのスマホの売り上げは急増する見通しだと説明した。アップルによると、現時点でインドでの売上高はわずかにとどまる。

CEOはまた、メディアコンテンツの創出と所有は大きな機会だと発言。報道されているアップルの自動車分野への参入についてはコメントを差し控えたが、自動車業界は「興味深い」と語った。

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