富士山&三浦フィーバーで潤う企業はどこ? ゴールドウイン、アウトドア支援で大車輪

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スタートを切ったUTMF。頭上の看板には「ザ・ノース・フェイス」のロゴ(赤い色の部分)が見える。  (c) NPO FUJI TRAIL RUNNERS CLUB

街中でも似合うカジュアルな製品群を数多く持ちながら、エベレスト登頂向けの重装備品から、富士山麓を駆け抜ける過酷なレース向けの超軽量品まで、極限のアウトドア環境にも対応できるようなラインナップがそろったザ・ノース・フェイス。そのことが、一般ユーザーにとっても、ブランドへの信頼感につながっているようだ。

もっとも、富士山の世界遺産登録は、肝心のUTMFにとって、必ずしもプラス影響だけをもたらすとは限らない。世界遺産に登録されたら、環境保護などの面で、現在よりも厳格なルールが必要となる可能性が高いからだ。

アシックス、デサントもUTMF会場にブース

富士山についてはすでに、7~8月の山開き期間中に、5合目より登頂する登山客から「入山料」を徴収することで、環境保全のコストを賄ったり、登山客数の抑制にもつなげようという動きが検討されている。これまで2回あったUTMFは4~5月の春季に開催され対象期間から外れている。また、あくまでも富士山麓を1周するレースであるため登頂には該当せず、仮に入山料が導入されても該当することはなさそうだ。

2000名もの参加者を集めるUTMFそのものが、世界遺産登録で富士山の環境保護が厳格化した場合、今の規模のまま継続できるかという問題もある。

ただ、UTMFの後援先には、昨年の第1回大会では外務省、国土交通省、観光庁が名を連ね、今年の第2回大会からは、文部科学省も新たに加わった。文科省はスポーツ行政の担当官庁であるうえ、今回、富士山が登録される見通しである「世界文化遺産」の主務官庁でもある。その文科省が後援したということは、UTMFが富士山の世界遺産登録と矛盾しないという“お墨付き”にも見える。

ちなみに今年のUTMFには、特別協賛しているゴールドウインのみならず、同業のアシックスやデサントも、トレイルランニング関連のアウトドア製品ブースを本会場内に出展。世界遺産登録を機に、富士山をめぐるスポーツウエア・用品メーカーの攻防も、一段と白熱することになりそうだ。

大滝 俊一 東洋経済 記者

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おおたき しゅんいち / Shunichi Otaki

ここ数年はレジャー、スポーツ、紙パルプ、食品、新興市場銘柄などを担当。長野県長野高校、慶応大学法学部卒業。1987年東洋経済新報社入社。リーマンショック時に『株価四季報』編集長、東日本大震災時に『週刊東洋経済』編集長を務め、新「東洋経済オンライン」発足時は企業記事の編集・配信に従事。2017年4月に総務局へ異動し、四半世紀ぶりに記者・編集者としての仕事から解放された

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