ポストが少なく、候補者が多すぎる会社に所属している場合、このようなチャンスをつかむことは容易ではありません。TOEICで高い点数をとり、社内で英語ができることをアピールし、同時にその責務を担えることの証明となる実績を積み、すべてを備えたうえで、列に並ぶことになります。それには多大な労力と時間がかかってしまいます。
東南アジアの日系企業は、まさに人が足りない状態である場合が多いのです。わざわざアジアで現地採用の人材を雇っている会社の多くは、本社からの駐在員と現地人スタッフだけでは業務が回らなくなっている会社ばかりです。また、日本人が現地採用として雇われる場合は、通常、現地人スタッフの3倍以上の給料をもらうことになります。そうすると、どんな若い人でもマネジャーに当たる職務を任されることになります。
英語、現地語もそれほどうまくはなく、人によってはマネジメント経験もない中で、異国の地で、文化的な背景も異なるスタッフをマネジメントするのは非常に難しい業務です。日本で10年間働いてきて、30代になって駐在員として派遣された人にとっても難しい職務ですから、20代の若手にとっては過剰すぎるプレッシャーがかかることもあります。
しかし、それは日本の本社で働いているスタッフの何倍もの経験を、現地で積むことになります。それは「外国人をマネジメントする」という多くの日本人が苦手としているスキルを早回しで経験することになるので、日本の同年代の“ライバルたち”に大きく差をつけることができます。そして、そのスキルは、これから先、より一層重視されるスキルであることは間違いありません。
成功体験を積みやすい
景気のいいところで働くことのメリットの3つ目が、成功体験を積みやすいということです。
景気のいい会社は、基本的に顧客が増え、売り上げが増え、利益が増えている会社です。自社が提供している製品と顧客の要望がかみ合っている状態であり、売り上げを上げることは比較的容易です。
逆に景気の悪い会社は、自社製品と顧客の要望が合っていなかったり、競合に圧倒的に強い会社がある場合が多いです。たとえば、日本国内でテレビを売る場合、3D映画を見ることができたり、ナノイー発生装置が付いたりしているテレビは顧客のニーズと合致していません。一方で、デザインが先進的な韓国企業のテレビや、値段が圧倒的に安い中国企業のテレビという強い競合がいます。このような中で成果を上げることは非常に難しいのです。
テレビだけでなく、多くの業界で市場が縮小している日本では、個人としても成果を上げることが非常に難しく、それ故に仕事のモチベーションを上げるのが困難になりがちです。
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