インドで急成長、日産の凄まじい現地化 日産からの常勤赴任者はわずか6人
また、パワートレインの製造を開始しました。トランスミッションの組み立て、エンジンのキャスティングなどを3月から徐々に稼働しています。つまり、エンジン鋳造に始まり、機械加工、エンジン組み立て、車両生産までの一貫工場になっています。
さらに40万台分の増設余地のある工場の土地を確保していますので、将来的には約80万台までの能力増強が可能です。
――クロスバッジ生産について簡単に教えてください。
日産「サニー」のプラットフォームを利用して、前後のデザインなどを変えてルノーブランドの「スカラ」を作っていますが、これをクロスバッジ生産と呼んでいます。
立ち上がってまだ3年ですが、すでにルノーと日産で多くのモデルを生産していますので、当然、それぞれの管理方法の違いもあり、SCM、物流関係、手配、納入、在庫管理などオペレーションは非常に複雑です。3年でこれだけのモデルを立ち上げたことについて、私はやはりすばらしいことだと思っています。
人材教育の秘密
――この工場だけの複雑なオペレーションに加えて、さらに将来、ダットサンブランドが入るとなると、生産管理はもはや芸術的です。人材教育はどうしているのでしょうか?
従業員は販売・生産台数に応じて増やしていく必要があります。そして採用を増やせば、教育が必要になってきます。ここインドや海外拠点にある教育研修施設は「リージョナルトレーニングセンター(RTC)」といいますが、日本には基となる「グローバルトレーニングセンター(GTC)」があり、これを連携させて教育を行います。
インドで採用後、キーパーソンはまず日本に送ります。GTCで研修を受けた後に「マスタートレーナー」という資格を得ます。そのマスタートレーナーがインドに戻ってきて今度は、RTCのリーダーとして、現地の社員教育をすることになります。
インドではこのマスタートレーナーが200人ほど活躍しており、その教育内容も、プレス、車体、塗装、組み立て、パワートレインなど技能ごとの分野に分かれています。また、当然「日産プロダクションウェイ」など「モノづくりのマインド」は講義ビデオなどで教えていきます。
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