政治家として、真価を問われる橋下市長 メディアの力は「両刃の剣」、逆風下でも正々堂々と

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政治家にとって、メディアの力は「両刃の剣」

「面白い本が売れるのではなく、売れた本が売れる。」とはこのことで、本がある程度売れるとメディアで取り上げられ、それで関心を持った人や、他人との会話に付いていきたいと思う人が買い、するとさらに話題になって、ますます売れていくという構図と同じです。

そう考えると、人気のある政治家も売れている本も、純粋にそれ自体が持つ価値だけではなく、やはりメディアの力というものが大きく作用しているのです。

メディアの力を熟知している橋下市長は、メディアを積極的に活用し、メディアの寵児としての地位を確立してきました。地盤・看板・鞄の「三バン」を受け継ぎ、大きな政治力を持つ世襲議員ではない政治家が、数の論理に負けずに自らの政策を推し進めるためには、国民の絶大な支持が必要であり、それを得ることができる手段がメディアなのです。

その一方、強大な力を持つメディアによってイメージを損なわれてしまったら、政治家としては致命傷になるわけで、政治家にとってメディアはもろ刃の剣であると言えます。

政治家からすれば、自らの発言力を高めてくれるメディアに感謝し、メディアとしては視聴率を高めてくれる政治家に感謝するという、持ちつ持たれつの関係ができていきます。

しかし、そこで終わらないことの方が多いのが、メディアの恐ろしいところなのです。メディアとしては、それまで持ち上げてきて人気のある政治家がマンネリ化し、高い視聴率が取れなくなってきた時点で、一転して批判し、一気に落とすことで視聴者の関心を引き、再び視聴率を稼ぐのです。

たとえメディアに少々悪く報じられたとしても、全くメディアに取り上げられず無名の政治家よりは選挙に有利だという、「悪名は無名に勝る」という格言を信じ、メディアをうまく活用していると思っていた政治家を奈落の底に突き落とすことになります。

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