中国人を東大・京大に多数送る「驚異の学校」

京都にある日本語学校の凄まじい合格率

取材に応じてくれたのは同校の創立者であり校長の松尾英孝氏。これだけ中国色が強いと、もしかしたら松尾校長はこちらの記事と同様、中国人なのでは?と思ったが、松尾は京都出身の日本人で、元高校教師だった。松尾氏と中国を結ぶものは何もなかったが、80年代に独立し、ピアノ調律師を養成する専門学校を開設したことから、中国との縁がつながっていった。

日本で学べるルートを作りたい

関西語言・松尾校長。中国への熱い思いを語る

「たまたま中国の遼寧省にある音楽学院の方から『うちの学生を受け入れてくれないか』という問い合わせがあったのが最初だったんです。当時、中国ではピアノの調律技術を習得できる学校はほとんどなく、日本の専門学校で学びたいということだったんですね」(松尾氏)

驚くことにその学生が非常に優秀で、以後、継続して留学生を受け入れるようになった。そして、91年に関西語言学院という日本語学校を設立。本格的に中国人を受け入れるようになったのだが、すぐに悩みが噴出した。当時、留学生とは名ばかりで、就労目的の中国人が多く、来日後に姿をくらましてしまうなどトラブルが続出した。

ブローカーを使えば中国人学生を簡単に集められるが、このままでは優秀で学習意欲のある中国人よりも日本で働きたい中国人ばかりになってしまう。

そう悩んだ松尾氏は、最初に学生を受け入れた遼寧省瀋陽にある日本国総領事館に相談。そこで日本語教育に熱心だった東北育才学校を紹介された。同校と交流していく中で、「本気で日本に行って勉強したい、と思っている中国人が中国にはごまんといる」(松尾氏)ことを知る。その現実に驚くとともに、彼らの期待にもっと応えたい、日本で学べるルートを作りたいと思い、瀋陽に自ら学校を設立することを決めた。

松尾氏が建てたのは東北育才外国語学校という中高一貫校だ。学生数は1学年約200人。中国の都市部では1学年800人以上というマンモス校も珍しくないので、同校は少数精鋭の学校だといえる。「日本への留学」を看板に学生を募集すると、瞬く間に優秀な学生たちが集まってきた。学費は寮費を加えて年間で約30万円。中国の公立高校の学費は(寮費は含まないが)年間で約1万4000円ほどなので、公立高校の20倍以上という高額だが、応募者は絶えないという。

日本への留学を希望する学生は、ここで高校3年まである程度日本語を習得し、その後、関西語言学院に入学するというルートを構築した。来日後、同学院でさらに日本語を学ぶだけでなく、日本の大学受験に必要な科目の学習を積み重ね、日本の大学を受験するシステムにした。

このような仕組みを作ったところ、東北育才の評判は一気に高まった。また、関西語言学院は東北育才だけでなく、中国各地にある有名進学校とも提携を結び、高校卒業後に、日本の同学院に入学できるように制度を整えた。提携先の高校には日本語コースや国際コースがあり、それらのコースから選ばれた学生が同学院にやってくるという流れだ。

中国から一定レベル以上の学力を持つ学生を日本に送り込む制度を採るようになってから、関西語言は「いわゆる普通の日本語学校」とはかなり趣を異にするようになり、日本の難関校へ進学する予備校的の側面を強く持つようになった。それが、同学院や東北育才が、留学生を欲する大学関係者の間で有名になった理由だ。

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