「お疲れ様!」の英訳がパッと出てこないワケ 意外と難しく感じる日常用語の英会話
日本語は難しい言語だとよく言われる。筆者が以前、外国人留学生に日本語を教えていたときも、皆が皆「難しい」と口にしていたのを記憶している。普段からなじんでいる我々からしてみれば「どうして?」と思うかもしれないが……。
日本語ってムズカシイ!
たとえば発音だ。「おじいさん」と「おじさん」。外国人には長音、つまり「おじいさん」の「い」の音が聞き取れないらしく、話し言葉でこの2つを区別するのに苦労するらしい。ほかにも「ん」(撥音)や小さい「つ」(促音)は、多くの日本語学習者を苦しめている。
これに加えて、動詞の活用の多様さ、イヤというほどにある同音異義語、敬語のような独特の表現の存在、「~は」「~が」などの助詞の区別、漢字・かな・カナの使い分け……など、日本語が難解な理由は挙げたらキリがないほどある。日本語は「世界一難しい言語だ」とすら言われることもある。その理由をお分かりいただけただろうか。
我々日本人はハイレベルな言語を話している。……しかし、その日本人が外国語を学習しようとするときにはこの母国語の存在がアダにもなるのだ。外国語といえば最たるものは英語だが、『日本人の英語』という本が有名になるほど日本人の英語は通じない。”日本語思考”に縛られている日本人は、他国語話者であればハマらないであろう落とし穴に勝手に落ちていくのだ。
外国人も日本人も苦しめるとは……なんと罪深い言語であろうか!