投資スクール経営者が「デイトレ反対」の理由 儲からない、コスト高、生活リズムも狂う
2. リスクは必ずしも低くない
デイトレを自らの投資スタイルとして採用している多くの投資家は、国内市場の取引の空白時間の価格変動リスクを避けられることを理由にすることが多い。これは確かに間違いではない。間違いではないのだが、決定的なもう1つのリスク要因を見落としている。
金融市場において、リスクとは不確実性を表す。市場に資金を投下している時間が長くなれば不確実性が増すので、短時間に取引を終えるデイトレは確かにリスクが低い。
時間のリスクは減っても、資金の不確実性が増す
しかし、時間と同様に、不確実性を増す要因として、投下する資金量=売買株数も見逃すことはできない。売買株数が大きくなれば、それだけ資金増減の不確実性が増すので、リスクが高くなる。
デイトレを行う投資家は、時間のリスクだけに目を奪われ、リスクをコントロールしたつもりになっているが、売買株数への注意が不十分であり、驚くような大きなリスクを抱えていることが多い。この状態では、デイトレであっても、リスクは低くなっていない。投資におけるリスクは、資金を市場に投下している時間と量に左右されることを肝に銘じ、両方をコントロールする必要があるのだ。
3. 利益に対してコストが高いので不利である
デイトレでは、大引けまでに必ず決済するので、利益を上げられたとしても、その利益幅には限界がある。それに対して、数カ月以上、あるいは1年以上保有する長期投資の場合、成功した際の利益幅は保有期間に応じて大きくなる。
ここで、投資家は1回1回の売買のすべてに売買手数料を支払う必要がある。最近では、ネット証券会社を中心に、手数料が引き下げられているが、それがゼロになることはあり得ない。
1回1回の売買のすべてに手数料が掛かることを考えれば、より大きい利益幅を上げられた方が、利益に対するコストの比率を低く抑えることができ有利であることは、火を見るよりも明らかだ。コストの面から考えれば、株式の保有期間が短くなればなるほど、利益に対してコストの比率が高くなり、不利になることを忘れてはならない。
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