マカヒキ14着、日本は凱旋門賞にこだわるな

世界の競馬の流れは刻々と変わりつつある

それでも、欧州の芝の競馬を模範として発展してきた日本の芝の競馬が目指したレースは凱旋門賞だった。そして、そこにこだわり続けた。今年は改修工事のため舞台がロンシャン競馬場からシャンティイ競馬場に替わっていた。欧州競馬としては究極の高速決着。マカヒキに舞台は合うと見られていた。それだけに直線「さあこれから」というところで伸びを欠いたのはにわかには信じられない光景に映った。

冷静だった競馬ファン、日本と違うシステム説明に課題

今年は新たな歴史も加わった。海外競馬の国内発売の第1弾が今年の凱旋門賞だった。発売は独立プール方式。いわゆる日本国内独自のオッズだ。当たり前のように日本馬が海外へ挑戦する時代となり、ファンが海外競馬の馬券を買って日本馬を応援したいというのも当然だった。

ただ1頭日本から参戦するダービー馬マカヒキに人気が集中するオッズになるのではないか、あるいはリアリストがシビアに馬券を買うのか。そこは非常に気になった。予想する我々は心情的にマカヒキを応援しても必要以上に肩入れするわけにはいかない。結果的にマカヒキは日本国内では1番人気で単勝オッズは2・8倍。ポストポンドは2・9倍。GⅠ5連続2着のファウンドは7・8倍で3番人気。まずまず妥当な人気だったと思う。意外にファンはバランス感覚があったという印象だ。

私が所属する福島民報は地方紙だが、競馬愛好者が多い土地柄のため、古くから中央競馬の出馬表と予想を掲載してきた。もちろん凱旋門賞も掲載した。地方紙だが国内のGⅠや重賞はメインレース限定で成績が入った馬柱を提供している。

しかし凱旋門賞はスペースの問題もあってできなかった。インターネットの時代になってユーチューブなどで海外競馬の映像も比較的簡単に見ることができる。時代は進化した。

それでも競馬マスコミが提供する情報は限られた。各馬の馬体重や、レースの上がりタイム(最後の600メートルのタイム)、レース途中の通過順位など、きめ細かい情報に慣れている日本の競馬ファンにとっては物足りなかったかもしれない。

「郷に入っては郷に従え」ではないが、日曜日の競馬終了直後に翌週の特別登録馬が発表されるというJRAのシステムに慣れているファンは今後、あくまで出走が見込まれている馬で検討に入るという海外の競馬に適応しなければならない。

出走馬が直前までわからないという状況にも慣れるしかない。専門紙やスポーツ紙の国内競馬の情報はきめ細かい。これらを海外競馬にもきちんと提供できるのか。何より馬券の対象となる馬番とゲート番が違う。いざレースを見れば違和感があったかもしれない。課題は残った。

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