マカヒキ14着、日本は凱旋門賞にこだわるな 世界の競馬の流れは刻々と変わりつつある
注目の売り上げは何と41億円。個人的には20億円に届けば大成功と思っていただけに驚異的な数字だった。今回はネット投票限定。ネット限定という同様の形式は高額配当を手にすることができるかもしれないという「WIN5」(指定されたレースの勝ち馬を全て当てる馬券)だ。
2011年4月24日の最初の売り上げは7億2793万1700円。初めてキャリーオーバーが生じた同年7月3日の22億6300万3500円が最高である。
一方、単独のレースとしては、昨年の有馬記念は416億1774万9800円、今年の日本ダービーは265億7409万400円。筆者の身近なところでは今年の土曜開催の福島牝馬Sは23億6717万8500円、日曜開催の七夕賞は57億9093万4000円。ファンの関心は高いが、投票ツールを持たないファンにとってネット投票限定というのは最大のネックだった。
ところが、今回の凱旋門賞の売り上げは41億8599万5100円。2日午後5時の時点で10億円の大台は突破していたが、ここからさらに馬券は売れた。これだけファンの関心が高いとは正直言って思ってもみなかった。ただ、日本馬を応援したいというファンにとって今のシステムでは「応援馬券」が手元に残らない。今回の単勝馬券のシェアはスプリンターズSの4%の2倍以上となる8・6%。やはりマカヒキを応援する馬券は予想以上に売れた。例えばマカヒキの馬名入りの単勝や複勝の馬券をプリントアウトできるようなシステム作りは必要ではないだろうか。そうすればさらに売り上げアップにつながるだろう。
凱旋門賞挑戦は継続でも、それ以外の海外GⅠ出走も
通算31勝。実はこれは日本馬の海外GⅠの勝利数だ。2014年にはジャスタウェイがワールドレースホースランキングで年間1位となった。今年もエイシンヒカリがイスパーン賞を圧勝し一時は首位を快走。現時点でも2位にランクされている。
個人的にはエイシンヒカリが英国伝統のロイヤルアスコット開催のGⅠプリンスオブウェールズSを勝っていれば、ある意味凱旋門賞以上の快挙ではないかと思っていた。今や日本馬は強くなった。凱旋門賞を欧州調教馬以外が勝ったことはない。日本馬だけがこだわり続けて挑んできた。
悲願というより、もはや執念か。勝たなければ「凱旋門賞神話」「凱旋門賞の呪縛」から逃れることはできない。本来ならもっと門戸を広げて世界のビッグレースに挑んでほしいのだが、今回はあらためて競馬は甘くないということを認識させられた。
とはいえ選択肢は広げてほしいと思う。チャンピオンSに挑戦する日本馬も見たい。積み重ねてきた経験は今後に生かさなければならない。挑戦は続けなければならない。日本国内の独立プール方式とはいえ、これから強い日本馬が出走する海外競馬の馬券を発売する機会はどんどんやってくる。凱旋門賞だけが海外の競馬ではない。ファンは海外での日本馬の活躍に期待していることが今回の売り上げを見ても明らかだ。今後ますます競馬の楽しみ方が広がることを期待したい。
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