「まずは、前の会社の社長でしょ、あとはセレクトショップの店長、外資系金融勤務のサラリーマン、変わったところでは埼玉県でキャバクラを経営している超固い会社の役員など、バラエティ豊かなメンツです。ほぼ全員が奥さんとうまくいっていなくて、家庭でもないがしろにされていた」
浅香さんが彼らからいろいろ話を聞きだして総合すると、家庭不和になる夫には共通点があるという。
「それは、妻の考えている理想の家庭に夫がハマれないこと。では彼女たちの“理想の家庭”ってなに?と考えてみたのですが、全然想像がつきません」
多くの取材を通じて考えるのは、理想の家庭とは、自分の育ってきた環境のことではないかと感じる。たとえば、彼らの妻が育ったのは高度経済成長期の初期だ。文化的な庭付き一戸建てに住み、母親は専業主婦、父親は会社員。会社員をしていれば将来に不安がなく、毎晩家で夕飯を食べ、家族の誕生日を全員で祝い、年に1回は海外旅行へ行く。ボウリングやテニス、ゴルフなど夫婦で共通の趣味を持ち、夫は献身的に妻を支えて愛するという典型的な昭和の家庭を“理想”としているのではないだろうか。
「そう、まさしくそれ! でもその理想の家庭ってすごく窮屈だし実現は不可能に近い。それに夫が毎日家に帰ってきたら、妻としてはかなり、うっとうしいと思いますよ。私は母と2人きりだったので、気分で外食したり、何の気兼ねもなく思い立って旅行したりしてました。同級生がお父さんの仕事の関係で転校せざるをえなかったり、旅行に行けなかったり、はたまた父親に殴られたり、強制的に塾に投入させられたり、大切なモノを捨てられたりしているのを見ていたから、“男って実は家庭にいらなくないよね?”と思っていました」
そう思えたのは、一にも二にも浅香さんの母には経済力があったから。
「だから私も母のようになりたいと思って、20代はがむしゃらでしたよ。仕事につながるなら、多少好みでなくとも、どんな男とも寝ました。体でのし上がったとか、いろんな陰口も言われましたよ。でも冷静に考えると、1回エッチしたくらいで、そう簡単に仕事を振らないし、任せませんよ。それに男性経営者もバカじゃない。容姿が悪く口が軽く、気分が重い女を恋愛の相手に選ばないと思う。そういうことを世の中の大半の人は、全然わかっていない。だから、成功している人をひがむんだと思います。まあ、裏を返せば、ひがみっぽい人が多いおかげで、私程度の短大卒の女にも、たくさんの仕事上の便宜があったし、夜のお誘いも来たんです」
関係を持ったのは「40代既婚の経営者」ばかり
30歳のときに今のパートナーと出会うまでに、記憶にあるだけでも30人の男性と関係を持った。
「ほぼ40代の既婚の経営者です。一度、20代のバンドマンとエッチしたことがあるんですが、全然楽しくなかったですね。行為をして、ハイ終わり!みたいな感じ。そもそも、私は恋愛関係が長続きしないんです。ずっとお父さんがいないから、男の人のカラダの特徴や“変な習性”みたいなものをリアルに知らないんです。たとえば、すね毛だって見慣れるまで大変でしたし、男性がオシッコを立ってするとお手洗いが汚れることも知らなかった。それに男の人の家のベッドにニオイがあることや、靴が大きいことにもなじめませんでした。あとは、何でもマヨネーズをかけるとか、がさつに早食いするとかそういうことも苦手。男性はカッコよくつねに堂々としてほしいと思います」
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