大詰めのIXI事件 浮かぶ業界の「無法」

休眠会社買い取り 口利きで多額の収入

04年秋にIXIの取引先調達で口利きを始めると、知り合いの経営者に依頼して「スカイピー・コム」という休眠会社を譲ってもらった。ただし、公認会計士の知人を代表に立て、自身は表に名前を出さないようにした。副業については、「社内規則や道義上の問題はあるが、法的に問題ない」と親しい弁護士からお墨付きを得ていたという。

取引仲介は加速度的に増加して、収入は毎月「億円単位」に膨れ上がったとされる。飲食代は数百万円に上り、銀座界隈を飲み歩いた。不審情報を得たネットワンは05年末に社内調査を行ったが、元部長はしらを切り通し、翌年3月末に退職。その後は個人保証で数億円を借り入れてまでIXI関連の取引にのめり込んだ。しかし計算違いからか、倒産時に多額の焦げ付きを抱えている。

2人のほか、デル日本法人幹部(当時)も広範に取引参加企業を勧誘、三信電気などを引き入れていた。米デルは昨年10月の決算訂正で日本法人における架空取引関与を認めている。また、旧TIS出身者も、一部で口利きを行っていたようだ。

IXIの架空循環取引に参加した企業が、別の不正取引に加わっていた事実もある。菱洋エレクトロやミロク情報サービスは、NAJ(大阪市、07年5月倒産)が中心となった循環取引に参加。ミロクは富士通子会社のPFUから40億円もの損害賠償請求訴訟を起こされるなど、7件もの関連裁判を抱える。先頃倒産したニイウスコーは自身が中心となり、リース会社を使った循環取引などで債務超過を隠蔽していた。

過去の不正では、実害が発生しないかぎり、参加企業は臭いものに蓋をして知らぬふりをしてきたのが実情だ。業界ぐるみの腐敗構図が断ち切られる兆しは、いまだ見えない。


(高橋篤史 =週刊東洋経済)
ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • ぐんぐん伸びる子は何が違うのか?
  • 仲人はミタ-婚活現場からのリアルボイス-
  • グローバルアイ
  • 最新の週刊東洋経済
トレンドライブラリーAD
人気の動画
東芝、会社「3分割」に残る懸念
東芝、会社「3分割」に残る懸念
節約志向で「安い食品ばかり買う」人の重大盲点
節約志向で「安い食品ばかり買う」人の重大盲点
百貨店の最終兵器「外商ビジネス」が抱える難題
百貨店の最終兵器「外商ビジネス」が抱える難題
EVの切り札?夢の「全固体電池」は何がスゴいのか
EVの切り札?夢の「全固体電池」は何がスゴいのか
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
「非財務」で生きる会社、死ぬ<br>会社 企業価値の新常識

今や株価を決める最大の要因は「非財務情報」というのが世界の常識に。優れた開示を行えば企業価値の向上につながる一方で、開示が不十分だと株を売られるリスクも。企業価値の新常識をめぐる混乱とその対処法に迫りました。

東洋経済education×ICT