ニトリ、3~8月期は過去最高の利益を達成 「2019年にはかつてない不景気が来る」とも
[東京 27日 ロイター] - ニトリホールディングス <9843.T>は27日、2016年3―8月期の連結売上高が前年同期比14.7%増の2547億円、営業利益が同34.0%増の491億円になったと発表した。
会社予想の売上高2410億円、営業利益395億円を上回り、過去最高となった。既存店売上高が好調だったほか、都心部への新規出店なども寄与している。ただ、2017年2月期の通期見通しは据え置いた。
白井俊之社長兼COO(最高執行責任者)は会見で「30期連続増収増益に向け、順調に推移している」と述べた。
3―8月期が会社計画を上回ったものの、通期見通しを据え置いた理由については、足元で為替が円高になっていることでの商品価格対応や店舗への先行投資などを挙げた。同社は、為替予約をしており、足元の円高メリットを享受できないが、円高を生かした他社の値下げには対応していく方針。白井社長は「秋冬の商品は昨年より安くして店頭に出している商品があるし、今後も当初より売価を下げて出すものもある」と述べた。
今年度の為替予約は1ドル108円前半で予約を終えている。ただ、業績が好調なことから、一部スポットでの調達も出てくるため、最終的には108円程度になる見通し。来年度は103円前半で予約を済ませており「それ以降は、相場を見ながら決めていく」(幹部)という。
3―8月期の既存店売上高(受注ベース)は同8.2%増となった。客単価は0.5%増とほぼ横ばいながら、客数が7.7%増と大きく伸びた。
接触冷感機能を持つ「Nクール」シリーズや販売開始を昨年より前倒ししたランドセル、コーディネート提案などが好調に推移。新規出店も、これまでの郊外型から都心へとシフトし、新たな客層の獲得につながった。8月までに国内は17店舗増加し400店舗となった。海外37店舗と併せ、国内外の合計店舗数は437店舗となっている。
2017年2月期の連結売上高は前年比9.1%増の5000億円、営業利益は同8.2%増の790億円の従来計画を据え置いた。トムソン・ロイターのスターマイン調査がまとめたアナリスト13人の営業利益予測の平均値は850億円となっており、会社計画はこれを下回っている。
似鳥昭雄会長兼CEO(最高経営責任者)は、消費環境について「流通業全体として良くない。賃金がそれほど上がっておらず、消費者は節約している」と述べた。こうした状況は、今年から来年にかけて変わらず「2019年には消費増税が予定されている。オリンピック関連建築も終わり、かつてないほどの不景気が来る」との見通しを示した。その上で、景気が良くない時には企業間格差が生まれるとし、チャンスとしてシェアを伸ばしたいと語った。
(清水律子 編集:内田慎一)
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