本物のリベラルアーツを日本人は知らない
リベラルアーツとは何か(下)

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最近は、日本でもリベラルアーツがブームになっている。日本のリベラルアーツカレッジの代表は国際基督教大学(ICU)だが、ここ10年ほどのうちで、秋田に国際教養大学、大分に立命館アジア太平洋大学、早稲田大学に国際教養学部などが次々に誕生し、どこもリベラルアーツ教育を標榜するようになった。

これらの大学では、1年間の海外留学が必須であったり、授業が英語で行われていたりする。しかし、やはりアメリカのリベラルアーツカレッジと違うのは、大学院進学が前提になっていないことだ。

日本では、就職問題もあって、大学院進学を前提として大学に進学する学生は圧倒的に少ない。しかしアメリカでは、リベラルアーツカレッジの卒業生は、たいてい大学院進学を目指す。もちろん就職する学生も多いが、いったん社会に出た後でも大学院に行くことは、アメリカでは当たり前になっている。

つまり、アメリカの学歴社会においては、大学院卒(つまりマスター修得)の価値が高いので、より、リベラルアーツ教育が重視されるのだ。

セブンシスターズとリトル・アイビーズ

したがって、リベラルアーツ教育に特化した少人数クラス主体のリベラルアーツカレッジは、ハーバードなどの名門総合大学より高い評価を得ているところもある。ハーバードに受かっても、アマーストやスワスモア、ウィリアムズなどに受かっていた場合、そちらを選択する学生も多い。

また、女子の場合、セブンシスターズ7校(アイビーリーグ大学の“妹校”とされる女子大学)は、今でもリベラルアーツカレッジとして特に人気が高い。さらに、リトル・アイビーズと呼ばれ、入学難易度が高く伝統のある15校のリベラルアーツカレッジの人気も高い。

セブンシスターズ7校

バーナード・カレッジ、ブリンモア・カレッジ、マウントホリヨーク・カレッジ、ラドクリフ・カレッジ(1999年ハーバード大学に併合)、スミス・カレッジ、ヴァッサー・カレッジ(現在は男女共学)、ウェルズリー・カレッジ

リトル・アイビーズ15校

アマースト・カレッジ、ベイツ・カレッジ、ボードウィン・カレッジ、コルビー・カレッジ、コネチカット・カレッジ、ハミルトン・カレッジ、ハバフォード・カレッジ、ミドルバリー・カレッジ、スワスモア・カレッジ、トリニティ・カレッジ、タフツ・ユニヴァーシティ、ウェズリアン・ユニヴァーシティ、ウィリアムズ・カレッジ 

セブンシスターズとリトル・アイビーズは、すべて東部のリベラルアーツカレッジだが、アメリカには東部以外にも評価が高いリベラルアーツカレッジがいくつもある。たとえば、カリフォルニア州のポモナ・カレッジやクレアモントマッケナ・カレッジは、最難関のリベラルアーツカレッジとして有名だ。

こうした日本ではあまり知られていないリベラルアーツカレッジに関しては、『U.S. News & World Report』のサイトに各種のランキングが載っているので、参考にしてほしい。

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