次に、早稲田アカデミーは、差別化。スケールでいえば、SAPIXにはかなわない。しかし、早稲田附属系や慶應附属系に強く、そこでSAPIXとの違いを出す。また、SAPIXの標準化されたサービスに対し、面倒見のよさで違いを出す。このような違いを出すことで、コストリーダーシップに対抗するのが、差別化の特徴である。
そして、エクタスは集中。SAPIXや早稲田アカデミーが市場全体をターゲットにするのに対し、エクタスは東京御三家+筑波大学附属駒場に集中する。集中することで経営資源を効率的に配分できるし、小規模校でも特徴を出せる。
ではどうやって塾を選ぶか
外部者が入試報告会という限られた機会を通じ分析した簡単な分析なので、あくまでも参考程度にしていただきたいが、ここから言えることは、以下のとおりだ。
各学校に個性があるように、各塾にも個性がある。だから優劣の比較対象にはならない。それぞれの個性を見極めて、自分の子どもにあった塾を選ぶことが重要である。
そして、小学校低学年、中学年の段階で、子どもが自分で、自分とフィットする塾を選ぶことは難しい。だから、親が子どもにアドバイスをする。しかし、その一方で、講師と子どもの相性もある。だから、体験授業などを受けることができるのであれば、子どもが感じた相性を大切にして、塾を選ぶことも必要である。
子どもがまだ小学生の場合、いずれにしても情報収集は親がせざるをえないし、ビジネスの最前線で活躍する親が、普段のビジネスで行っている情報収集力、情報分析力をいかすことができる。
日本のマーケットの変化を見据え、そのうえで必要な教育が何なのかを考え、その目標を達成できる学校や塾を選ぶ。目標達成のためのタスク管理をする普段のビジネスと、やるべきことに変わりはない。
もちろん主役は子どもたちである。しかし、そのサポート役として、親が果たすことができる役割は、われわれが思っている以上にいろいろあるといえる。
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