“ギャンブル化”する日銀の金融政策

行きすぎた円安と不動産バブルのおそれ

バブル化する株・不動産

「政府と日銀は、異次元緩和によって資産バブル、すなわち株価と不動産価格の急騰を起こそうとしているとしか思えない」と見る市場関係者は多い。異次元緩和の発表後、日経平均株価は11日までに1300円超も上昇した。

株高を支えるのは、緩和効果による企業収益の拡大期待だ。期待に現実が追いつけばいい。はたしてそうなるか。大きな節目となるのが、5月の連休明けだ。企業の決算発表が本格化する。「3割増益」(13年度経常利益の前期比、金融除く)が株式市場のコンセンサスとされる中、企業の見通しがこれを下回るようだと、株価の下げ要因となる。

4月1日に発表された日銀短観によると、大企業の今期計画増益率は6.4%。企業経営者は慎重な見通しを変えていない。5月中旬、決算発表を集計したところ、よくて2ケタ増益ということになりかねない。

そうなると株価は調整局面に入る。「Sell in May and go away」(5月に売って、相場から離れろ)というのが米国ウォール街の格言。5月はヘッジファンドの多くが決算期で、利食いの売りが出やすい。この半年の株価上昇を主導してきたのは外国人投資家。彼らが売りに転じたら相場は下げざるをえない。

ただ、7月実施とみられる参院選まで、政府・自民党は経済状況をよく見せておきたい。株価が下がれば何らかの手を打つ可能性がある。6月には成長戦略の発表が予定されており、株式市場の期待をつなぐ政策が公表されるだろう。「株高はしばらく続く」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘投資部長)との見方は多い。

株の次にバブル的な価格上昇が予想されるのが不動産だ。異次元緩和によって日銀が不動産を直接買うわけではない。しかし日銀は、REITを年間約300億円分買い入れる。円安や金利低下の進行で、外国人投資家にとって日本の不動産に割安感が出ている。銀行や生保は運用難に陥っている。さまざまな思惑から、不動産に投機マネーが流入しやすい状況だ。

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