32歳高年収女子、マッチングデートに再挑戦 東京カレンダー「崖っぷち結婚相談所」<7>
典型的な結婚できない女、杏子、32歳。
慶應大学卒業後、丸の内の某外資系金融でセールス職に就き、年収は2000万円を優に超える。
美人だがプライドが高くワガママな彼女は、男運が悪く全くモテない。さらにハイスペックゆえ、男が近寄りたくない女ナンバーワンとまで噂されている。
恋愛市場で負け続け、さすがに危機感を持ち始めた杏子。そんな彼女は婚活に本腰を入れることを決意し、結婚相談所に登録をした。そして初のマッチングデートを済ませたものの上手く行かず、婚活アドバイザーの直人から痛烈なダメ出しを受けてしまった。その後も社内のモテ女を観察し、さらに凹む杏子。改めて直人のカウンセリングを経て、2回目のマッチングに挑戦する!
杏子、二度目のマッチングの相手は?
目の前でソワソワと落ち着かない素振りの正木という男は、遠慮とは無縁の好奇心丸出しの視線を杏子に投げつける。
正木には、相談所を通して杏子からオファーを出した。単純に、医者というスペックと、顔が気に入ったのだった。年齢も32歳と、相談所の男性の平均年齢としては若めだ。
「うわぁ、緊張しちゃうなー。杏子さん、超美人!どうして相談所なんか使ってるの?」
杏子は、正木と対面して30秒で苛立った。これは、開口一番に聞く質問ではない。婚活アドバイザーの直人には前もって「正木とは相性は悪い」と言われていたが、その通りかも知れない。正木は、先日の紳士な飯島とは全く違うタイプの男であった。
普段の杏子であれば、こんな無礼な質問をされれば、途端に不機嫌になり、下手すれば席を立ってしまいかねない。しかし直人の厳しい表情が頭に浮かび、思い留まった。これは、結婚という目標を達成するための「模試」みたいなものなのだ。
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