東電「使用量通知遅れ」は自由化の阻害要因だ

口座引き落としできず、料金の過大請求も発生

根本解決の道筋を示せない東京電力。写真は東京電力ホールディングスの廣瀬直己社長(撮影:大澤誠)

東京電力グループの送配電子会社による新電力各社への電気使用量の通知遅延問題が、予想を超えて長引いている。同社では5月20日に遅延の「お知らせ」をホームページ上で公表して以来、社員の投入や派遣社員の新規採用など、人海戦術によって事態の打開を図っている。だが、「検針日から原則4営業日までに小売電気事業者に使用量を通知しなければならない」というルールの遵守にはほど遠い状況が続いている。

検針値の通知遅れは、「過去の分を含めて2カ月分まとめて電気料金が銀行口座から引き落とされていた」「いつまでたっても電気料金の請求が来ない」といった問題を引き起こしている。のみならず、検針データの処理の誤りにより、過大な金額が請求されるという深刻な事態も起きている。

その悪影響は4月の小売全面自由化を機に家庭向けに参入した新電力各社のみならず、東電の電力販売子会社にも及んでいる。

最悪の事態は脱出したが…

9月7日の記者向け説明の場で、首都圏での送配電事業を担う東京電力パワーグリッド(以下、東電PG)の松井健一郎・総務・広報グループ課長は、「8月後半以降、事態は改善傾向が現われてきている」と説明した。「9月5日時点での通知遅延は約9000件(全体の約0.2%)。直近の検針分については(当社が現在目標とする、検針実施から7営業日までに小売電気事業者に通知することで)定常化が図られている。9月中旬には現在までにお知らせできていないものも含めて遅延の解消を実現したい」(同氏)。

東電PGによれば、5月から8月中旬にかけて、同社から新電力各社や東電グループの小売販売子会社である東京電力エナジーパートナー(以下、東電EP)への電気の使用量の未通知件数は、2万件前後で推移してきた。それが9月5日時点では約9000件のレベルまで減少。これを踏まえて東電PG側では「定常化が図られつつある」と説明した。人員増強などの対策の効果が現われたことは間違いない。

だが、問題の根本解決にはほど遠い。

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