あなたの会社のご本尊は何ですか?
「お寺の話は企業経営には通用しない」とお思いですか? 私は案外、お寺でなされている「他力経営」は企業においても有効だと思います。
筆者の父は中小企業(製造業)の経営者で、以前から「永続する企業を作りたい」が口ぐせになっていますが、経営者たるもの同じような思いをお持ちの方がほとんどではないでしょうか。たとえベンチャー起業家がIPOを目標に企業を育てていくにせよ、売却してまもなく業績が傾くような企業は誰も買ってくれないでしょうから、長期的に繁栄する組織を作ることは必須です。
日本は世界でも断トツで老舗企業の数が多い国といわれ、旅館や料亭など、さまざまな業種に数百年単位で続いている代表的な老舗企業が存在します。ここで、あなたの好きな老舗企業をひとつ思い浮かべてみてください。その老舗は、当代(現在)の社長の思いを拠り所として活動していますか? あるいは、当代の社長自身が、自分の思いを実現することだけを考えて経営しているでしょうか?
おそらく違うと思います。もちろん、当代の社長自身の思いが現在の経営に反映されることは確かですが、その老舗において代々継承されてきた大切な何かを皆の拠り所として、経営されているのではないでしょうか。だからこそ、老舗は老舗と呼ばれるまで長く、ご本尊とは呼ばないまでも、その組織を組織たらしめる大切な何かを大事にするかどうかは、長い目で組織の運命を大きく左右するのです。
老舗企業も創業時にはベンチャーだったわけで、逆に言えば、あらゆるベンチャー企業は老舗のたまごです。どんな組織も早いうちからぜひ、組織の「ご本尊」を大切にしていただきたいと思います。
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