岡崎慎司は、なぜ上司の心を掴めるのか? 「上司に信頼される」より、まず「上司を信じる」

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周りを気にすることへの違和感

もともと岡崎は、「周りの目を気にする」ことではい上がってきた選手だ。高卒で清水エスパルスに入団したときは、FWの6番手、7番手にすぎず、プロでやっていけるかわからない“雑草選手”だった。

だが、岡崎は周りの意見に耳を傾け、ガムシャラに課題に取り組んできた。その結果、日本代表の主力になり、2010年W杯のデンマーク戦でゴールを決め、ドイツのブンデスリーガでプレーするまでの選手になった。

ただし、その一方で、自分が周りの意見を気にしすぎることに、少しずつ違和感を覚え始めていた。

「サッカーをやりたくてプロになったのに。その気持ちをどんどん忘れていたんです。監督に求められたり、人に言われたりして、チャレンジできなくなっている自分がいた。なんでサッカーをやっているのかな?って思いが大きくなった」

プロである以上、試合に出るために監督から認められる必要がある。だが、評価を気にしすぎると、自分らしさは失われる。

悩んだ末に岡崎が行き着いたのは、「信頼される」という他人の目を基準にする思考ではなく、「信頼する」という自分の目を基準にする思考だった。

「監督が指示するのは、自分にとって、それが絶対に必要だからだと思うんです。だから、その指示を信頼する。そういうふうに考えると、嫌々取り組むのではなく、『なぜ、そう言われたんだろう?』と理由を掘り下げられる。何も考えずに従うのと、考えながらやるのではまったく違う」

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