「ルンバ」から始まる超快適で便利な家の正体 人それぞれの思い通りに機能する時代が来る

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これまで「Ava」というビジネス向けの遠隔会話ロボットに利用してきた(ナビゲーションや障害物検知などの)技術を応用し、アマゾンやグーグル、アップルが持っているような音声認識の技術と統合する。すでに存在する技術を組み合わせる。

アイロボットがビジネス向けに展開していた「Ava」。今後はこの技術を家庭用に移行させる

音声認識まで自社で開発するつもりはない。アマゾンには「アレクサ」、グーグルには「グーグル・ホーム」、アップルには「Siri」がある。物体認識についても、一部は外部企業に頼る。グーグルのコンピュータービジョン技術を用いるかもしれない。

ロボットを開発し始めたときはすべて自分で技術を発展させなければならなかった。けれども今は、さまざまなユーザーインターフェースの技術をサービスとして利用できる。これによってより洗練されたロボットを作れるうえ、私が描くスマートホームのビジョンの実現にも近づけられる。

「あくまで徐々に広がる」

――このロボットが掃除をすることはない?

それはバッドアイデア。ソファやベッドの下には潜り込めないから。

――なるほど。しかし、話を聞いていると、皆がさまざまな家電をすべて買い替えなければこうしたビジョンは実現しないようにも思える。

新しいモノが好きな人は、たとえば土日だけですべての電球をWi-Fiにつながるものに取り替えたりするだろう。ただ多くの人は古いモノが壊れたり、使えなくなったりして、初めて新しいものを買う。あくまで漸進的、徐々に広がるものと考えるべきだ。

新しい掃除機がほしいと思ってルンバを買う。そして携帯電話をスマートフォンに買い替え、ネットにつながる電球に替える。すると家の地図を描き、住人の位置を追跡できるようになる。たとえばその電球を取り付けた部屋に人が入ると、自動的に電気がつくといったことが可能になる。

その次の週に新しいスピーカーを買ったとしよう。そうすると別の部屋からスピーカーのある部屋へと移ったとき、音楽の再生が始まったりする。こうして徐々につながる範囲が広がっていくのだ。

ルンバが家中のモノの位置を、クラウドのAIが住人の好みをそれぞれ把握すると、システムはより賢くなり、人それぞれの思い通りに家が機能していく。これが私のビジョンだ。

中川 雅博 東洋経済 記者

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なかがわ まさひろ / Masahiro Nakagawa

神奈川県生まれ。東京外国語大学外国語学部英語専攻卒。在学中にアメリカ・カリフォルニア大学サンディエゴ校に留学。2012年、東洋経済新報社入社。担当領域はIT・ネット、広告、スタートアップ。グーグルやアマゾン、マイクロソフトなど海外企業も取材。これまでの担当業界は航空、自動車、ロボット、工作機械など。長めの休暇が取れるたびに、友人が住む海外の国を旅するのが趣味。宇多田ヒカルの音楽をこよなく愛する。

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