トレンドマイクロ、標的型攻撃対応に照準 個人に狙いを定め侵入するサイバー攻撃が増えている
企業向け「カスタムディフェンス」に乗り出す
トレンドマイクロは3月27日に発表した2013年の事業戦略の中で、3つの強化ポイントを説明した。同社が最も強調したのは、標的型攻撃に対する「カスタムディフェンス」という新たなソリューション。カスタムディフェンスとは、顧客のIT環境に合わせた最適の防御を提供するサービスで、「ウイルスバスター」など網羅型ソフトだけでは守りきれない分野を強化していく構えだ。
会見の場に登壇した同社のエバ・チェンCEOは、「企業貸与のデバイスと個人所有のデバイスが併用され、いつでもデータにアクセスできる時代になっており、限定的なソリューションでは対応が困難になっている」と説明。現在の企業内環境では、メールやウェブへのアクセスに加え、スマートフォンなど多様なデバイス、クラウド、そしてフェイスブックをはじめとするSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)など、従業員が多面的にネットワークにつながるようになり、「IT管理者の負担がかつてないほど重くなっている」とも指摘した。
こうした状況下で、サイバー犯罪者などの攻撃者は、従業員のSNSを見にいき、その個人情報を調べあげたうえで、特定した個人へ「必ず釣れるメールを送り侵入する」(チェンCEO)という。実際、同社が調べたところ、標的型攻撃の91%が、こうしたスピアフィッシング(フィッシング詐欺)から始められているという。
こうなると、従来型の網羅的なウイルス対策だけでは間に合わない。気がついたときには、ウイルスを除去しても、すでに侵入されている恐れがあるためだ。
そこで、トレンドマイクロでは、企業の貴重なデータを守るために、スマートな防御戦略が必要と強調する。特に標的型のカスタマイズされた攻撃に対しては、カスタムディフェンスで迎え撃つのが効果的だというのだ。
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