「飲み会に行ったら離婚」…夫の主張は通るか 一度帰宅が遅くなっただけで「もういらない」
「参加必須の飲み会に絞って参加し、家事もしっかりこなしていた中で、帰りが一度23時を過ぎただけで離婚という夫の主張は、やや極端であるように思われます。この1点で裁判所が離婚を認めることはないでしょう」
森元弁護士はこのように述べる。では、どんな事情があれば、離婚が認められる可能性があるのか。
「たとえば、飲み会に極めて頻繁に参加し、その結果として家事や育児がおろそかになり、家族が日常生活に支障をきたす、家計が破たんする。または、深夜の帰宅や朝帰り、外泊なども多く、異性関係も疑われるといった事情があれば、離婚が認められる可能性があるでしょう」
夫の発想にこそ問題のあるケース
「今回のケースでは、むしろ、そこまで妻の飲み会参加に腹を立て、妻の行動を制限しようとし、話し合いではなく無視や離婚請求といった行動に出る夫の発想のほうに問題があるとみられるのではないでしょうか。
ただ、本件では、お二人とも若く、婚姻期間も短く、お子さんもいらっしゃらないようです。また、妻も正社員になって間もないとはいえ生計を立てる見込みがある中です。夫がどうしても離婚だという主張を貫けば、最終的には離婚が認められる可能性もあります。
しかし、それは、妻の飲み会参加が原因とされるわけではなく、価値観の相違、性格の不一致が原因とされるものです。妻に慰謝料を支払う義務が生じるわけではありません」
森元弁護士はこのように述べていた。
著書・監修書に、『簡易算定表だけでは解決できない養育費・婚姻費用算定事例集』(新日本法規)『一番よくわかる離婚の準備・手続き・生活設計』(西東社)他。
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