スマホ普及で膨らむ不正アプリの脅威 安全に使うために個人が注意すべきポイントは?

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アプリの選択眼を養う

そうはいっても、親しい友人から情報共有しようなどと誘われると断りにくいこともあるだろう。だが、アンドロイドを持つ以上、リスク意識は必ず持たなければならない。自分自身の情報をとられても、迷惑メールが増えるだけであり、それは我慢すればいい、という考え方もあるだろう。だが、それだけでは済まないことが圧倒的に多い。

アドレス帳に記載されている家族や友人の連絡先や自分との関係といった情報が漏れることによって、迷惑メールにとどまらないリスクをバラまくことになる。親の携帯に自分を装った振り込め詐欺の電話が来たらどうするのか。また、個人モバイルの業務利用率は携帯で40%、スマホでも30%近いという。その場合に流出する情報は個人的な情報だけでは済まない。スマホ内部にある情報だけでなく、グーグルアカウントに登録している情報まで抜かれないとも限らない。グーグルアカウントは固有の端末に紐づけられているため、変えたくても変えられない。初期化して新たに取り直すほか手がないが、その際、現在のアカウントにあるスケジュール帳も写真データもアドレス帳も、すべてなくしてもいい覚悟が必要になる。

キャリアの公式サイト以外でアプリをダウンロードするときには、少なくともどこかの紹介サイトにアップされているか、ダウンロード数は多いのか、利用者からの苦情はどうかなどを、必ず確認する。メールアドレスやID、電話番号、位置情報といった情報を利用する、外部に送る、などについての許可を求められていないか。また、「アダルト壁紙」を利用するために電話番号やメアドは必要なのか、というように、その情報を送ることがそのアプリの利便性を高めるために必ず必要なのかどうか。拒否できないならダウンロードは見送ることだ。

「子どもに与える場合は、リスク回避を優先してアイフォーンがベスト」と加賀谷氏は言う。大人であれば、スマホはPCと同じ、と一言添えれば、ウイルス感染やフィッシングなどマルウエアのリスクを理解できるが、子どもはガラケーの経験しかない。守られた世界から、ガードのない世界というものを想像できないからだという。

セキュリティソフトの過信もよくない。既知のウイルス感染や不正アプリを止めるには有効であるし、アプリをダウンロードする際、あるいはダウンロ-ドしたアプリから読み取られる情報一覧の掲示などの機能を備えるものもある。だが、人間の悪意を機械が判断するのは難しく、限界がある。

情報を盗むタイプのアプリに多いのが、アドレス帳などにアクセスして情報を盗んだあとは、「非対応」と表示が出て、「あなたのスマホでは使えない」という体裁を取るものもある。本人はあきらめてそのアプリは消してしまうため、いつどこで情報を抜かれたかといったことはおろか、情報を流出させたのは自分であることすらわからなくなってしまう。

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