貧困とセックス、いずれ最底辺は銃を持つ 格差を放置すれば日本も銃社会に突入する
中村:結局、おカネが足りないという話に帰結する。実際に売春する女の子たちの事情から、教育、介護、保育などの社会保障まで、どこを眺めても本当におカネが足りない。
鈴木:最悪の瞬間を迎える前になんとかしないと。
中村:不気味なことを言うね。最悪の瞬間って、何?
鈴木:貧困者が銃を持つ社会です。一日中、ツイッターなどでネガティブなツイートをする若者を見ていると怖くなる。虐げられた人が銃を持って反撃する構図が出ちゃうと、取り返しがつかなくなる。完全なる階級間対立で、日本人が富める者と貧しい者に分かれて徹底的に憎み合い、排除し合う世の中になるかも。そんな悲劇、見たくない。
中村:ほとんどの国民は日本では絶対にそんなことは起こらないと思っているから、まだまだ貧困層を苦しめるだろうね。日本にかぎらないけど、権力側は暴動が起こってからようやく考えるのかな。えーと、ちょっと古いけど、2014年の特殊詐欺(オレオレ詐欺、架空請求詐欺、融資保証金詐欺、還付金詐欺)の被害総額は559億4355万円。警察が全力を尽くす中で前年度比2割増しとなっている。
鈴木:振り込め詐欺やオレオレ詐欺がこんなに流行しているのは、強制的な再分配だと僕はずっと言い続けているけど、これは日本固有の現象で、諸外国だったらここに銃と血が入ってくる。少なくとも日本では階層間の憎悪は出来上がっちゃっている。
中村:今の競争社会は、ほぼ全員が負けるしくみ。もちろん、競争によってクオリティーが上がって競争力がつくということもわかるけど、膨大な貧困予備軍の敗者を生んで、自己責任で片づけられて終わり。ほとんどの国民が貧困におびえながら生きるって、おかしいよ。
資本家が労働力を選別すると、貧困が増える
鈴木:資本家が使いやすい労働力だけを選別したら、貧困は増えるばかり。そもそも貧困に陥っちゃう人たちは、使い方が難しい面がある。理想論だけど、人材を見きわめて、育てて、いちばん能力を発揮できる場所に配属してということが成立していけば、世の中はガラッと変わる。そこには、教育だけではなく、医療的な支援や発達支援のようなアプローチを含めてやれば、可能性はいっぱいある。
中村:貧困者を社会が排除してしまうと、それで終わってしまって、将来的に負担だけが残る。人手不足の産業は容易に外国人に頼るのではなく、国を挙げて自国民の有効活用を考えるほうがいいってことだね。今の社会が求める人材の許容範囲があまりにも狭いのは確かだから、すべての自国民をケアするべき、という理想論を捨ててはならないね。
鈴木:そうです。当然、障害の重い人は福祉の対象として保護していくとして、今の日本は障害のボーダーラインの人たちも、その許容範囲から外れて孤立して、働けなくなっている。きちんと精査すればそれほど人員は余らないはずです。
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