アベノミクスの行方を占う3つのポイント 「期待」「賃金」「金利」に注目せよ

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仮にアベノミクスがうまくいってデフレから脱却できたとしても、その場合には物価や賃金だけでなく、普通は金利も上昇する。金利が上昇するほど景気がよくなり、その分だけ税収も増えれば問題はないが、国債の利払い負担も重くなる。金利の上昇分以上に税収も増えないと、増税か歳出削減を行わなければ、財政赤字は減っていかない。さらに、金利の上昇は、銀行が大量に保有する国債の評価損を通じて金融システムの不安定化を招くおそれがある。

外国人の見る失望リスク アベノミクスの真価は?

安倍政権は今年年央にかけて、成長戦略や中期的な財政健全化策を示すとしている。今までは直接的な痛みを伴わない政策で人々の期待を高めることができた。しかしこれからは、構造改革にせよ財政再建にせよ、既得権益や国民の痛みと向き合わざるをえない。「外国人投資家がアベノミクスについて見ている最大のリスクは失望リスク」(民間エコノミスト)。もし高めた期待を裏切るような内容であれば、深い失望を招くおそれは十分にある。アベノミクスは本物か否か。まもなくその真価が問われる。

週刊東洋経済編集部
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