「串カツ田中」創業7年で上場する酒場の正体 老若男女、子どもにも愛されるB級グルメ

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串カツ田中社長の貫啓二さんは、インタビューでうどん店「つるとんたん」のすごさをあげている。なぜなら、つるとんたんは、チェーン店にもかかわらず、個性的だとお客が思い、そして美味を感じるからだ。おそらく、それは、単なるうどん店ではなく、そもそもメニューがチェーン店にあるまじきバラエティを誇っているからだだろう。

私は個人的に、六本木にある「つるとんたん」と「串カツ田中」に行ったことがある。確かに両店とも人気で入るのに時間を要す(前者は真夜中に接待できるのが良く、後者はそもそも串カツ店が近隣に少なく、さらにホッピーセットがあるのが良い)。

串カツ田中では、素人でも店舗経営が可能なように徹底したマニュアル化がなされており、これがフランチャイズや多店舗展開を推し進める一因となった。串カツはシンプルなだけに、その効率化と標準化を進めたのが、コスト面からも勝因となった。

串カツ田中のリスク

とはいえ、市場が不透明さを増しているのも事実だ。実際、他の飲食店は苦戦しており、外食産業としては右肩下がりとまではいかずとも、横ばいの状況が続く。そのなかで、コンビニエンスストアを中心に、中食・内食市場が盛り上がっている。

また、串カツという業態も、関東ではまだ珍しいものの、大手チェーンからの類似業態攻勢がないとは言い切れない。さらに現在、アジア各国が成長を続けている。そのなかで、国際的な食材の高騰が、特に低価格チェーン店には重くのしかかる。それゆえに、同社は独自ルートでの調達を志向している。そこでの安定調達強化を期待したい。

坂口 孝則 未来調達研究所

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さかぐち・たかのり / Takanori Sakaguchi

大阪大学経済学部卒。電機メーカーや自動車メーカーで調達・購買業務に従事。調達・購買業務コンサルタント、研修講師、講演家。製品原価・コスト分野の分析が専門。代表的な著作に「調達・購買の教科書」「調達力・購買力の基礎を身につける本」(日刊工業新聞社)、「営業と詐欺のあいだ」(幻冬舎)等がある。最新著は「買い負ける日本」(幻冬舎)。

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