パリの男女が長期休暇に「何もしない」理由 ガッツリ休むのに生産性は日本以上…
国民感性の通奏低音、何もしない自由、そうしてヴァカンスの「空っぽ」。とりとめもなく考えていたら「色即是空」という語句が浮かびました。
色即是空、空即是色――すべての形あるものの本質は空であり、世に存在するすべての事物は空である。事物とは因と縁によってのみ存在しているのであり、あくまで仮象であって、永劫不変の実体というものは存在しない。この大乗仏教の原理と呼応するものはニヒリズムではなく、徹底した人格主義(prersonalism)だと思います。
個人の場面では、人格の陶冶・人間としての成長・教養の深化であり、社会の場面では自由・平等の尊重といったことになります。家族との時間を楽しみ、家事や子育てを通してパートナーと過ごす機会を増やすことは、豊かで成熟したセンシュアルな文化を自分たち自身が作り上げることにつながるのではないでしょうか。
考えれば、ヴァカンスというのはセンシュアルを涵養(かんよう)する場なんですね。夏なのになにか物悲しい、大人寂びた美しいパリからのお便りでした。
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