経済成長への「病的な執着」は日本を滅ぼす 異端の経済学者・セドラチェク、吼える
神話、歴史、哲学などの切り口から経済学のあり方を問い直した『善と悪の経済学』は、15カ国語に翻訳、欧州でベストセラーとなり世界中で話題を呼んでいる。その著者で、プラハ・カレル大学在学中にチェコ共和国のヴァーツラフ・ハヴェル初代大統領の経済アドバイザーを務めた気鋭の経済学者、トーマス・セドラチェク氏に、現在の経済社会が抱える危機について話を聞いた。
いまの経済は、「躁うつ病」的だ
――セドラチェクさんは、今の経済をどのように見ていますか。
私は、いまの経済は「躁うつ病」的になっていると考えています。経済がいいときは、どんどん調子に乗って加速しようとし、落ち込むときはその落ち込み幅がすごくなる。成長、成長と追求して、ものすごいスピードで壁に衝突する。
これは、経済全体の話であると同時に、個人の話でもあります。おだやかに暮らすというのではなく、もっと稼いで、大きく使って、と。振れ幅の大きさをみんなが求めている。政府が成長を求めるのも、国民がそれを求めているからですよね。
私たちは、いつまで成長至上主義を続けるのか。もうそろそろ、成長マニアであることを止めないと。
そのためにはまず躁うつの躁の部分を変えないといけません。
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