英国のEU離脱は、極めて合理的な判断だった 英トップエコノミストが予言していた「崩壊」

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英国No.1エコノミストが「EU離脱」という判断の正しさを解説する( 写真:ロイター/アフロ)
英国保守党・労働党双方のブレーンでもあったロジャー・ブートル氏は、2015年に上梓された『欧州解体』で、英国のEU離脱を予言していた。
同書から、英国がEUを離脱するメリットや、EUとの関係について論考した内容を抜粋してお届けする。

 

デフレ社会の到来をいち早く予言した英国No.1エコノミストによる“新たな警告”

英国がEUから抜けた途端に、すべてのEU向け輸出が消滅すると考えるのは誤りだ。何が起ころうと、そのかなりの部分は継続するだろう。実際に何が起こるのかは、どのような種類の貿易関係が合意されるかによる。確かな答えは知りようがないが、人間の欲と既存の国際協定を考えれば、ある程度の当たりをつけることは可能だ。とにかくひとつはっきりしているのは、緊密な貿易関係を続けることが両者にとって大きな利益になるということ。したがってそういう帰結になる可能性が最も高い。

英国は強い立場で交渉に臨める。あまり知られていないことだが、ほかのEU加盟国にとって、英国は米国を上回る最大の輸出先なのだ。それはすなわち、多くの欧州大陸の企業にとって英国が最大の市場であることを意味している。たとえばイタリアのフェラーリ社は最近、英国が同社の最大の市場になったと発表した。

そのうえEU各国の対英貿易収支は明らかに黒字になっている。つまり英国からの輸入よりも、英国への輸出のほうが多いということだ(これは英国がEUとの貿易で損失を出しているということではない。貿易関係から得られる利益にはさまざまなものがあるが、自国で作ると高くつくものを国外から安く輸入できるという点もそのひとつなのだ。さらに言うなら、すべての貿易相手国と収支を均衡させる必要はなく、そうするメリットもない)。

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