「日本食」の極めて明るい未来 りんご、桃、ラーメン、寿司、そして吉野家

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縮小

農業は国内では縮小産業だが、グローバルでは長期成長産業である。製造業がグローバル価格競争と技術革新の継続で長期的には雇用の受け皿になれない中、高付加価値と差別化ができて、かつ増加する世界の富裕層が日本の4~5倍で買ってくれる魅惑の商品を、まじめな(=既得権益に思い切って切り込んで)産業政策で見直す必要がある。大規模株式会社化の足かせになっている規制の数々を取り除くだけで、どれほど潜在力が発揮されることだろうか。

日本食の世界進出~世界で健闘する寿司・ラーメン

海外で高いのは日本産のりんごと桃にとどまらない。以前にも述べたが日本のラーメンは香港では10中8~9の確率でまずいのだが、“よっぽど安くておいしい地元・香港のタンタン麺およびワンタン麺”を押しのけ、ランカイフォンの一風堂ではいつも1時間待ちの行列ができている(なお、セントラルの駅のすぐそば、IFCモールの向かいにある“「札幌」というラーメン屋さんの豚キムチラーメンはおいしく、サバ焼き定食も、ラグビー好きの親切なご主人も最高である。私がダイエットしているのにその気も知らず、いつも餃子を3~5個サービスしてくれる心意気にも感謝している)。

「千両」というすしチェーンもつねに満員で、香港中にある「元気寿司」という回転ずしも香港っ子であふれ返っている。韓国にも最近日本のすし屋さんやラーメン屋さんが進出しており、ソウルで大人気を博している。私が今住んでいるフランスでも、決して美味しいとは言えないカサカサの、サーモンしかネタの無い(しかもなぜか串焼きとセットで出てくる)お寿司屋さんがとんでもないプレミアム価格で大繁盛している。

しつこくて恐縮だが、先日シンガポールのクラークキー駅の上のビルで「どうせ、美味しないでしょ」と思って入った店の鶏がらベースのラーメンが、信じられないほど美味であった。日本で聞かない名前だったので日本に何店舗あるのか店長さんに聞いたら、“日本のラーメンで世界で勝負したい”との気持ちで、2店舗目からいきなりシンガポール、そして今インドネシアとベトナムに店舗を準備しているという。

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