米国発、倉庫スタイルでコストコが猛攻 コストコ渋滞引き起こす会員制ディスカウントが出店加速
50店舗体制へと事業拡大
今回の届出では7月26日につくば店(店舗面積1万0036平方メートル)、8月18日に千葉ニュータウン店(9976平方メートル)、8月26日に中部空港店(1万0042平方メートル)と、今年の夏、立て続けに3店舗がオープン予定だ。
つくば店の立地は、茨城県つくば市の開発地域である葛城地区の一角。つくばエクスプレス研究学園駅の北側で、茨城県道19号取手つくば線の沿線に位置。予定地のほぼ南側には大和ハウス工業が運営するつくばエクスプレス沿線最大の大型複合所業施設「iias(イーアス)つくば」(店舗面積4.7万平方メートル)がある。
千葉ニュータウン店は、千葉県印西市の千葉ニュータウン中央エリアの一角。北総線千葉ニュータウン駅の北東部、国道464バイパス沿いの北側で、沿線にはヤマダ電機、ジョイフル本田、ケーズデンキ、家具の東京インテリアなどの大型店が軒を連ねている。
中部空港店は、愛知県常滑市の中部空港の対岸部、中部空港臨空都市空港対岸部生活文化ゾーンの一角。知多横断道路りんくうインターチェンジ出入り口付近で、コストコの南側には14年春に大型商業施設・イオンモールが開業する予定だ。
コストコは今年3月にも、北九州店、広島店の2店舗をオープンする予定で、既存の13店舗にこれら5店舗を合わせ、年内には18店舗体制となる。
コストコは10年間で50店舗まで店舗を増やす計画を掲げており、すでに11年に前橋店、座間店、京都八幡店の3店舗、12年は神戸垂水店の1店舗、そして13年は5店舗と出店ペースを加速。11年を店舗拡大のスタートの年とすると、20年まで毎年4店舗増のペースの出店が継続すると思われる。
親会社は世界8カ国で600店舗展開
コストコの親会社、米コストコは世界8カ国で約600店舗を展開し、12年の売上高は8.7兆円(1ドル=90円換算)、従業員数は17.4万人(12年末時点)だ。売上高だけ見れば、国内小売りトップのイオン(連結売上高5兆円)をはるかに上回る規模。
同社は1976年に飛行機の格納庫を店舗に改造して創業。83年に卸売・小売業兼営の会員制の倉庫スタイルの大型店舗をワシントン州シアトルでオープンして以来、現金取引による大量仕入れ、売れ筋に絞り込んだ取り扱いアイテム、内装の簡素化やパレットでの商品陳列によるローコストオペレーションなど、倉庫スタイルで激安販売を行うビジネスモデルが当たり、全米に約450店舗を展開するまで業容が拡大した。
日本へは99年に福岡県糟屋郡久山町の「トリアス・ショッピングウォーク」(店舗面積4.3万平方メートル)に、テナントとして久山店を初出店したのが始まり。
気になるコストコの日本法人の業績だが、外資系企業にありがちなことで、日本法人の業績に関する情報開示はまったくない。そこで米国「Costco Wholesale Corp.」の最新のアニュアルリポートから推察すると以下のようになるだろう。
米コストコの年商8.9兆円(会員収入含む)のうち、日本が含まれる地域(メキシコ、英国、台湾、韓国など)の売上高は約1兆円。これを1店舗当たりに換算すると年商120億円となり、13店舗を展開するコストコの年商は1560億円程度となる。これは国内の中堅スーパー並みの規模。そして今後、50店舗まで店舗網を拡大すれれば年商は6000億円規模と、スーパー準大手並みとなる計算だ。
では、今後コストコが出店する約30店舗の候補地はどこか。コストコでは半径10キロメートル内の人口50万人を要件としていることから、3大都市圏の未出店エリア、地方ではコストコ空白地域の仙台、新潟、静岡、熊本、岡山、鹿児島、松山、金沢などが最有力候補となるであろう。
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