米国発、倉庫スタイルでコストコが猛攻

コストコ渋滞引き起こす会員制ディスカウントが出店加速

経済産業省は昨年12月届出分の新規出店予定の大型店舗を公表した。それによれば、新規出店の届出があった大型店は71件で昨年同月比13件増に(表参照)。

2012年を月ベースで見た場合、前年同月比1件減の1月、同じく同数の9月を除く10カ月が前年同月を上回り、年間トータルでは12年は711件と11年の575件を大幅に上回る結果となった。

しかし、過去10年間の新規出店届出の推移を見ると、03年からリーマンショック時の08年まで平均830件の届出となっており、ボトムだった09年の509件からだいぶ回復したとはいえ、大型店新規届出のペースは道半ばといえる。

テーマパークの雰囲気で人気

12月分の新規出店届出で注目されるのが、会員制ディスカウントストア「COSTCO(コストコ)」を国内に13店舗展開しているコストコホールセールジャパン(本社川崎市、資本金75億円、従業員約6000人)である。

コストコは、知る人ぞ知る米国発、倉庫スタイルの会員制ディスカウントストアである。車社会の米国と同様、自動車での来店を前提としたロードサイド型店舗を郊外で展開。テレビや新聞折り込みチラシなどの広告はいっさい行っていないため、車を持たず都市部に居住する人は、店の存在すら知らないかもしれない。

コストコの宣伝は、来店客(会員)の口コミが頼り。そして、友人・知人の口コミ評判を聞きコストコの魅力に取りつかれた人には、駐車場待ちでコストコの周辺道路が大渋滞となる、いわゆる「コストコ渋滞」をいとわないほどの人気を博している。

なぜ、有料会員制(個人の場合、年会費4200円)にもかかわらず、コストコに多くの客が吸い寄せられるのか。もちろん食品から家電、日用雑貨まであらゆる商品が激安ということもあるが、業務向け大容量の商品やアメリカンサイズの食料品、数々の輸入品といった品ぞろえに加え、倉庫スタイルの巨大店舗というコストコ独自の店作りが一種のテーマパークの雰囲気を醸し出している点も見逃せない。過去に、フランスのカルフールや英国のテスコなど、世界的な流通大手企業が日本に進出したものの、日本市場の特性を理解できず、結果的に業績不振で撤退に追い込まれている例を勘案すると、コストコは日本に進出した外資では成功事例といえる。

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