アイリスオーヤマ、「家電本格参入」の真意 日本の家電は価格が高すぎる
――年間1000点の新製品を世の中に出している。1日に換算すると2.7点も新しいモノが出ているのは驚きだ。
一つの商品でもシリーズや大中小がある。また、一つアイディアが出るとつながって品ぞろえが横に展開する。そういう見方をすれば、1000点を圧倒的に超えている。そのことよりも当社では発売から36カ月までを新商品とし、その比率を大切にしている。これが全体の57%~58%の割合になっている。過当競争でコピー商品が出るから、常に新しいモノを作り続けない限りは成長しないと考えている。
――どのようにして、アイディアが出てくるのか。
簡単だ。目線を変えればいい。他の企業はプロダクトアウトで考える。つまり、自分たちの持つ技術や強みなど作り手側の発想でモノを作る。
当社はユーザーインで消費者の不満を発見して、それを解消するアイディアを出して商品化する。皆さん頭ではユーザーインが必要だと分かっているが、それを具体的に進められる会社が少ない。
「日本の家電業界は高額志向に染まっている」
――家電参入のきっかけは?
元々はホームセンター向けの加湿器、シュレッダーやラミネートを作っていたが、あまり技術力がなかった。
そこで、ひとつは技能を持っている人を雇用したいということで、大阪にR&Dセンターを作って技術者を採用した。一時、韓国や中国にスカウトされた。中国でモノつくるのはよいし、ほとんどの家電製品は中国で作っている。だけど、技術は日本で作るべきだと思う。日本はそういう国でないとモノづくりで隣の中国で勝てるはずはない。
それとなぜか分からないが、世界の中で日本の家電は価格が高い。世界は安いモノを求めるのに、日本の家電メーカーは高いものをつくる。作るほうも楽だし売るほうもよい。さらに、一部のお客さんに高いモノがよいものだと思う人がいる。洗濯機は横(ドラム式)にしていて便利だが、一人暮らしには必要ない。家電業界にはブランド信仰があり高いモノがよいという高額志向に染まっている。
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