「出産リミット」からの解放は悦びをもたらす 私は「自分で自分を幸せにする道」を選んだ!
定期的に会って食事に行く男性は数人いるが、どの人にも恋愛感情は持っていない。男性に対しても、恋愛感情より人間同士の絆を求めてしまうのだ。男性不信でもないし、家族が不仲だったということでもない。ただ、子供の頃から「人一倍独立心が強かった」と、母親から事あるごとに言われていた。
自分の生き方が、誰かの人生のヒントになれば…
サバサバした性格の彼女に、「甘えてくる年下の若い男子がいいんじゃない」という友人たちもいるが、とんでもないと思うばかりだ。誰かに甘えられるのは苦手なのだ。
ペットを飼うことを勧めてくる友人には「サボテンも枯らせる女だから」と言って流している。女が一人でいることは、やはり何かと心配されるのだと痛感するが、皆悪気はないのだからどの言葉もありがたく頂戴しながらも、彼女の軸がぶれる事はない。
お酒が飲みたくなれば、目黒の『ビアード』や『ガルス』へ行くことが多い。
その日の気分で思い立って誘っても、「いいね」と乗ってきてくれる友人が、男女問わず近くにいてくれるのはありがたい。目黒近辺には、仕事を通して知りあった人もいれば、何度か通っているレストランやバーで仲良くなった人も多い。近くに友人や知人がいてくれるのは、一人暮らしをしている者にとっては心強いのだ。
毎月のネイル、美容院、エステとはたから見れば派手な、まさにバブルの面影を忘れられないような女として見られることも多い美奈。だが、その生き方には、彼女なりの信念と真摯な思いが込められていることを忘れてはいけない。
産まないことを引け目に感じる女性がいれば、美奈は笑い飛ばして「自分の人生を生きればいいじゃない」とあっけらかんと言うだろう。
子供を産むのにはリミットがある。それゆえ結婚を焦る後輩たちも多い。だから彼女は、「自分のような生き方も選択肢の一つであることを知ってもらって、居心地の悪い思いをしている女性の、何かのヒントになればいいな」と笑って話す。その笑顔は、この夏の青空のように晴れ渡り、何の曇りもなかった。
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