「出産リミット」からの解放は悦びをもたらす 私は「自分で自分を幸せにする道」を選んだ!

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

仕事柄、会食の多い彼女は、相手が誰であろうと臆することなく、よくお酒を飲み、口を大きく開けて大きな声で笑う。それでも彼女に下品な印象はなく、むしろ品性を感じるのは、細やかな気遣いと丁寧な言葉使いのせいだろう。

休暇には必ずハワイやセブ島、カンクンなどのビーチリゾートへ行き、肌をこんがり焼いて帰ってくる。会社の若い女の子たちから「バブル感がヤバイ」と言われているのも知っているが、そんなことはお構いなしだ。

子供がいる後輩たちは応援したい

美奈は若い時から結婚願望がなく、それに伴うように子供を持ちたいと思うこともなかった。友人たちの子供を見て可愛いとは思うが、自分も同じように子供を持ちたいという感情が湧いてきたことはなかった。

若い頃から彼氏が欲しいとは思っても、結婚したいと思ったことはなかった。まわりからは「どうして?」と度々言われたが、美奈の方こそ「どうして?そんなに変?」と聞き返したいくらいだった。子供を持たないという考えは、多くの女性にとってはストレートに受け入れにくい考えらしく、言葉の裏側を探ろうとされることに、微かな居心地の悪さを感じることも、少なからずあった。

子供のいる人生の素晴らしさや豊かさも理解している。だがそれが万人に当てはまることではないのだというのが彼女の考えだ。

自分の考えが少数派であることは十分理解しているし、子供を産まない分、子育てをしている周りの女性たちを応援したいと心から思っている。

そんな美奈が身近でできることといえば、産休、育休を終え、時短勤務で復職した後輩たちのサポートだと思い、彼女たちの負担が減るよう業務量には常に気を配り、突発的な案件は決して回さないことを徹底している。逆に彼女たちが急に休んだり早退しても、フォローできるような体制作りにも余念がない。

休日は残った仕事を目黒の自宅で片付けることもあれば、仕事絡みのイベントに顔を出すことも多い。仕事とプライベートをはっきり分けていなくても、ストレスを溜め込むこともないのは、本当に仕事が好きで面白いからだろう。

美奈がここまで仕事に熱中できるのは、ある信念があるからだ。それは、仕事は裏切らないということ。自分が頑張れば頑張った分だけ、成果と実績が付いてくる。すぐには認められなくても、時間がかかっても誠実に仕事を続けていれば、必ずそれを認めてくれる人が現れると信じているのだ。

決して一人で生きると決めたわけではない。ただ、誰かに幸せにしてもらおうとは思っていない。自分を一番幸せにできるのは、自分自身なのだと思っているのだ。だから信頼し、尊敬し合える相手がいれば、パートナーとしてお互いの空いた時間に一緒にいられればいいと考えている。子供を持つことを考えていない美奈にとっては、結婚のリミットも特にないのだ。

次ページどの言葉もありがたく頂戴しながらも…
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事