帝国ホテル、都心観光ブームで上向く 東京駅改装、スカイツリーも追い風

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ライト館は現在、中央玄関が愛知県犬山市の博物館明治村に移設されている。帝国ホテルへの収益貢献はないが、3月にはライト館のレゴブロックも発売されるという。春から秋にかけメディア露出が増えそうだ。

本館地下アーケードも同じく90周年。ほかにも、シティホテルの走りとして先駆的な取り組みを続けてきた帝国ホテルだけあって、バイキングレストラン55周年、女性客向けのレディースプラン20周年、館内でのジャズイベント10周年……、とアニバーサリーが続く。そこで年間を通して関連催事や記念プランを増やし、レストランや宴会場を含めた利用客の増加を図る構えだ。

カギを握る欧米からのビジネス客

今後の課題は、リーマンショック後の停滞に加え、東日本大震災・原発事故を受けて落ち込んだ外国人客の本格的な回復。尖閣諸島問題に絡んだ中国人客の減少は大きく響いてはいないが、欧州財政危機もあり欧米客が本格的に戻ってこないのが悩みの種だ。

帝国ホテルはかつてロンドンや米ロサンゼルスにあった案内所を閉鎖。現在唯一残っている米ニューヨーク案内所の人員を増強し、海外へのPRに必死だ。

世界の高級ホテルがアライアンスを組む「ザ・リーディングホテルズ・オブ・ザ・ワールド」(LHW)の営業活動支援も受けながら、海外ビジネスマン富裕層の出張や行楽、あるいは日系海外法人の現地社員や取引先を日本へ招待する「インセンティブ需要」などを取り込んでいく。リーマンショック前の営業利益40億円台の水準に再挑戦することが、帝国ホテルの中期目標となる。

山川 清弘 「会社四季報オンライン」編集部 編集委員

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やまかわ・きよひろ / Kiyohiro Yamakawa

1967年、東京都生まれ。91年、早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。東洋経済新報社に入社後、記者として放送、ゼネコン、銀行、コンビニ、旅行など担当。98~99年、英オックスフォード大学に留学(ロイター・フェロー)。『会社四季報プロ500』編集長、『会社四季報』副編集長、『週刊東洋経済プラス』編集長などを経て現職。日本証券アナリスト協会認定アナリスト、日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト。著書に『世界のメディア王 マードックの謎』(今井澂氏との共著、東洋経済新報社)、『ホテル御三家 帝国ホテル、オークラ、ニューオータニ』(幻冬舎新書)など。

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