ホンダが守る「エンジン屋」最後の砦

少量でも2輪向け国内生産にこだわるワケ

新型エンジン(=写真=)は国内向けに中・大型バイクを生産する熊本製作所(熊本県菊池郡大津町)で最終的に生産する。一方、タイで現地生産するエンジンと部品をほとんど共有化しているため、部品は半分以上をタイから輸入する予定だ。国内調達が多いエンジン以外の部品を含めた新型バイク全体でも、輸入部品比率は半分近くになる見込みである。

従来、熊本で生産を手掛けるバイクエンジンは、ほとんど日本の部品を使っていた。今回、グローバル設計のエンジンを、タイからの調達部品で生産することを決めた背景には、国内での厳しいバイク生産環境がある。

ホンダの国内バイク生産は世界全体の1%強

バイク市場の中心が新興国にシフトする中、ホンダのバイクの国内生産台数18.4万台と、グローバル生産のわずか1%強に過ぎない。そのうえ、400ccクラスのバイクに限れば、4300台程度の販売台数にとどまる。

そもそも、中・大型バイクは熊本で生産していたが、コスト競争力を高めるため、タイでCB500の生産を開始した経緯がある。CB400シリーズも生産もあきらめ、小型バイクのように輸入で対応するという判断もありえただろう。ただ、それでは国内でのバイク生産体制がますます縮小の一途をたどり、「中・大型バイク」という国内バイク作りの最後の砦も失われてしまいかねない。

何より、ホンダにとってエンジンの技術は、屋台骨の自動車ビジネスを支える根幹中の根幹であり、2輪車のエンジンを手がけていることが、自動車メーカーとしてのホンダの強みにつながっている。

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